トップページ  ▶建設業法【目次】  ▶第2章 建設業の許可
第1節 通則
【建設業の許可】
第3条
建設業を営もうとする者は、次に掲げる区分により、この章で定めるところにより、2以上の都道府県の区域内に営業所(本店又は支店若しくは政令で定めるこれに準ずるものをいう。以下同じ。)を設けて営業をしようとする場合にあつては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業をしようとする場合にあつては当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、この限りでない。
  • 建設業を営もうとする者であつて、次号に掲げる者以外のもの。
  • 建設業を営もうとする者であつて、その営業にあたつて、その者が発注者から直接請け負う一件の建設工事につき、その工事の全部又は一部を、下請代金の額(その工事に係る下請契約が2以上あるときは、下請代金の額の総額)が政令で定める金額以上となる下請契約を締結して施工しようとするもの。
2項
前項の許可は、別表第1の上欄に掲げる建設工事の種類ごとに、それぞれ同表の下欄に掲げる建設業に分けて与えるものとする。
別表第1
土木一式工事土木工事業
建築一式工事建築工事業
大工工事大工工事業
左官工事左官工事業
とび・土工・コンクリート工事 とび・土工工事業
石工事石工事業
屋根工事屋根工事業
電気工事電気工事業
管工事管工事業
タイル・れんが・ブロツク工事 タイル・れんが・ブロツク工事業
鋼構造物工事鋼構造物工事業
鉄筋工事鉄筋工事業
ほ装工事ほ装工事業
しゆんせつ工事しゆんせつ工事業
板金工事板金工事業
ガラス工事ガラス工事業
塗装工事塗装工事業
防水工事防水工事業
内装仕上工事内装仕上工事業
機械器具設置工事機械器具設置工事業
熱絶縁工事熱絶縁工事業
電気通信工事電気通信工事業
造園工事造園工事業
さく井工事さく井工事業
建具工事建具工事業
水道施設工事水道施設工事業
消防施設工事消防施設工事業
清掃施設工事清掃施設工事業
3項
第1項の許可は、5年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
4項
前項の更新の申請があつた場合において、同項の期間(以下「許可の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の許可は、許可の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。
5項
前項の場合において、許可の更新がされたときは、その許可の有効期間は、従前の許可の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。
6項
第1項第1号に掲げる者に係る同項の許可(第3項の許可の更新を含む。以下「一般建設業の許可」という。)を受けた者が、当該許可に係る建設業について、第1項第2号に掲げる者に係る同項の許可(第3項の許可の更新を含む。以下「特定建設業の許可」という。)を受けたときは、その者に対する当該建設業に係る一般建設業の許可は、その効力を失う。
【許可の条件】
第3条の2
国土交通大臣又は都道府県知事は、前条第1項の許可に条件を付し、及びこれを変更することができる。
2項
前項の条件は、建設工事の適正な施工の確保及び発注者の保護を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、当該許可を受ける者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。
【附帯工事】
第4条
建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事を請け負う場合においては、当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事を請け負うことができる。
第2節 一般建設業の許可
【許可の申請】
第5条
 一般建設業の許可(第8条第2号及び第3号を除き、以下この節において「許可」という。)を受けようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、2以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業をしようとする場合にあつては国土交通大臣に、一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業をしようとする場合にあつては当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事に、次に掲げる事項を記載した許可申請書を提出しなければならない。
  • 商号又は名称
  • 営業所の名称及び所在地
  • 法人である場合においては、その資本金額(出資総額を含む。以下同じ。)及び役員の氏名
  • 個人である場合においては、その者の氏名及び支配人があるときは、その者の氏名
  • 許可を受けようとする建設業
  • 他に営業を行つている場合においては、その営業の種類
【許可申請書の添附書類】
第6条
前条の許可申請書には、国土交通省令の定めるところにより、次に掲げる書類を添付しなければならない。
  • 工事経歴書
  • 直前3年の各事業年度における工事施工金額を記載した書面
  • 使用人数を記載した書面
  • 許可を受けようとする者(法人である場合においては当該法人、その役員及び政令で定める使用人、個人である場合においてはその者及び政令で定める使用人)及び法定代理人が第8条各号に掲げる欠格要件に該当しない者であることを誓約する書面
  • 次条第1号及び第2号に掲げる基準を満たしていることを証する書面
  • 前各号に掲げる書面以外の書類で国土交通省令で定めるもの
2項
前許可の更新を受けようとする者は、前項の規定にかかわらず、同項第1号から第3号までに掲げる書類を添付することを要しない。
第7条
 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
  • 法人である場合においてはその役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。以下同じ。)のうち常勤であるものの一人が、個人である場合においてはその者又はその支配人のうち一人が次のいずれかに該当する者であること。
    イ).
    許可を受けようとする建設業に関し5年以上経営業務の管理者任者としての経験を有する者
    ロ).
    国土交通大臣がイに掲げる者と同等以上の能力を有するものと認定した者
  • その営業所ごとに、次のいずれかに該当する者で専任のものを置く者であること。
    イ).
    許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し学校教育法(昭和22年法律第26号)による高等学校(旧中等学校令(昭和18年勅令第36号)による実業学校を含む。以下同じ。)若しくは中等教育学校を卒業した後5年以上又は同法による大学(旧大学令(大正7年勅令第388号)による大学を含む。以下同じ。)若しくは高等専門学校(旧専門学校令(明治36年勅令第61号)による専門学校を含む。以下同じ。)を卒業した後3年以上実務の経験を有する者で在学中に国土交通省令で定める学科を修めたもの
    ロ).
    許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し10年以上実務の経験を有する者
    ハ).
    国土交通大臣がイ又はロに掲げる者と同等以上の知識及び技術又は技能を有するものと認定した者
  • 法人である場合においては当該法人又はその役員若しくは政令で定める使用人が、個人である場合においてはその者又は政令で定める使用人が、請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと。
  • 請負契約(第3条第1項ただし書の政令で定める軽微な建設工事に係るものを除く。)を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有しないことが明らかな者でないこと。
第8条
国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次の各号のいずれか(許可の更新を受けようとする者にあつては、第1号又は第7号から第11号までのいずれか)に該当するとき、又は許可申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、許可をしてはならない。
  • 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
  • 第29条第1項第5号又は第6号に該当することにより一般建設業の許可又は特定建設業の許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
  • 第29条第1項第5号又は第6号に該当するとして一般建設業の許可又は特定建設業の許可の取消しの処分に係る行政手続法(平成5年法律第88号)第15条の規定による通知があつた日から当該処分があつた日又は処分をしないことの決定があつた日までの間に第12条第5号に該当する旨の同条の規定による届出をした者で当該届出の日から5年を経過しないもの
  • 前号に規定する期間内に第12条第5号に該当する旨の同条の規定による届出があつた場合において、前号の通知の日前60日以内に当該届出に係る法人の役員若しくは政令で定める使用人であつた者又は当該届出に係る個人の政令で定める使用人であつた者で、当該届出の日から5年を経過しないもの
  • 第28条第3項又は第5項の規定により営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
  • 許可を受けようとする建設業について第29条の4の規定により営業を禁止され、その禁止の期間が経過しない者
  • 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者
  • この法律、建設工事の施工若しくは建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定で政令で定めるもの若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)の規定(同法第32条の2第7項の規定を除く。)に違反したことにより、又は刑法(明治40年法律第45号)第204条、第206条、第208条、第208条の3、第222条若しくは第247条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正15年法律第60号)の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者
  • 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号のいずれかに該当するもの
  • 法人でその役員又は政令で定める使用人のうちに、第1号から第4号まで又は第6号から第8号までのいずれかに該当する者(第2号に該当する者についてはその者が第29条の規定により許可を取り消される以前から、第3号又は第4号に該当する者についてはその者が第12条第5号に該当する旨の同条の規定による届出がされる以前から、第6号に該当する者についてはその者が第29条の4の規定により営業を禁止される以前から、建設業者である当該法人の役員又は政令で定める使用人であつた者を除く。)のあるもの
  • 個人で政令で定める使用人のうちに、第1号から第4号まで又は第6号から第8号までのいずれかに該当する者(第2号に該当する者についてはその者が第29条の規定により許可を取り出される以前から、第3号又は第4号に該当する者についてはその者が第12条第5号に該当する旨の同条の規定による届出がされる以前から、第6号に該当する者についてはその者が第29条の4の規定により営業を禁止される以前から、建設業者である当該個人の政令で定める使用人であつた者を除く。)のあるもの
【許可換えの場合における従前の許可の効力】
第9条
許可に係る建設業者が許可を受けた後次の各号の一に該当して引き続き許可を受けた建設業を営もうとする場合において、第3条第1項の規定により国土交通大臣又は都道府県知事の許可を受けたときは、その者に係る従前の国土交通大臣又は都道府県知事の許可は、その効力を失う。
  • 国土交通大臣の許可を受けた者が一の都道府県の区域内にのみ営業所を有することとなつたとき。
  • 都道府県知事の許可を受けた者が当該都道府県の区域内における営業所を廃止して、他の一の都道府県の区域内に営業所を設置することとなつたとき。
  • 使用人数を記載した書面
  • 都道府県知事の許可を受けた者が2以上の都道府県の区域内に営業所を有することとなつたとき。
【登録免許税及び許可手数料】
第10条
国土交通大臣の許可を受けようとする者は、次に掲げる区分により、登録免許税法(昭和42年法律第35号)で定める登録免許税又は政令で定める許可手数料を納めなければならない。
  • 許可を受けようとする者であつて、次号に掲げる者以外のものについては、登録免許税
  • 第3条第3項の許可の更新を受けようとする者及び既に他の建設業について国土交通大臣の許可を受けている者については、許可手数料
【変更等の届出】
第11条
許可に係る建設業者は、第5条第1号から第4号までに掲げる事項について変更があつたときは、国土交通省令の定めるところにより、30日以内に、その旨の変更届出書を国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。。
2項
許可に係る建設業者は、毎事業年度終了の時における第6条第1項第1号及び第2号に掲げる書類その他国土交通省令で定める書類を、毎事業年度経過後4月以内に、国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。
3項
許可に係る建設業者は、第6条第1項第3号に掲げる書面その他国土交通省令で定める書類の記載事項に変更を生じたときは、毎事業年度経過後4月以内に、その旨を書面で国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
4項
許可に係る建設業者は、第7条第1号イ又はロに該当する者として証明された者が、法人である場合においてはその役員、個人である場合においてはその支配人でなくなつた場合若しくは同号ロに該当しなくなつた場合又は営業所に置く同条第2号イ、ロ若しくはハに該当する者として証明された者が当該営業所に置かれなくなつた場合若しくは同号ハに該当しなくなつた場合において、これに代わるべき者があるときは、国土交通省令の定めるところにより、2週間以内に、その者について、第6条第1項第5号に掲げる書面を国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。
5項
許可に係る建設業者は、第7条第1号若しくは第2号に掲げる基準を満たさなくなつたとき、又は第8条第1号及び第7号から第11号まてのいずれかに該当するに至つたときは、国土交通省令の定めるところにより、2週間以内に、その旨を書面で国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
【廃業等の届出】
第12条
許可に係る建設業者が次の各号のいずれかに該当することとなつた場合においては、当該各号に掲げる者は、30日以内に、国土交通大臣又は都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
  • 許可に係る建設業者が死亡したときは、その相続人
  • 法人が合併により消滅したときは、その役員であつた者
  • 法人が破産手続開始の決定により解散したときは、その破産管財人
  • 法人が合併又は破産手続開始の決定以外の事由により解散したときは、その清算人
  • 許可を受けた建設業を廃止したときは、当該許可に係る建設業者であつた個人又は当該許可に係る建設業者であつた法人の役員
【提出書類の閲覧】
第13条
国土交通大臣又は都道府県知事は、政令の定めるところにより、第5条、第6条第1項及び第11条第1項から第4項までに規定する書類又はこれらの写しを公衆の閲覧に供する閲覧所を設けなければならない。
【国土交通省令への委任】
第14条
この節に規定するもののほか、許可の申請に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
第3節 特定建設業の許可
【許可の基準】
第15条
国土交通大臣又は都道府県知事は、特定建設業の許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
  • 第7条第1号及び第3号に該当する者であること。
  • その営業所ごとに次のいずれかに該当する者で専任のものを置く者であること。ただし、施工技術(設計図書に従つて建設工事を適正に実施するために必要な専門の知識及びその応用能力をいう。以下同じ。)の総合性、施工技術の普及状況その他の事情を考慮して政令で定める建設業(以下「指定建設業」という。)の許可を受けようとする者にあつては、その営業所ごとに置くべき専任の者は、イに該当する者又はハの規定により国土交通大臣がイに掲げる者と同等以上の能力を有するものと認定した者でなければならない。
    イ).
    第27条第1項の規定による技術検定その他の法令の規定による試験で許可を受けようとする建設業の種類に応じ国土交通大臣が定めるものに合格した者又は他の法令の規定による免許で許可を受けようとする建設業の種類に応じ国土交通大臣が定めるものを受けた者
    ロ).
    第7条第2号イ、ロ又はハに該当する者のうち、許可を受けようとする建設業に係る建設工事で、発注者から直接請け負い、その請負代金の額が政令で定める金額以上であるものに関し2年以上指導監督的な実務の経験を有する者
    ハ).
    国土交通大臣がイ又はロに掲げる者と同等以上の能力を有するものと認定した者
  • 発注者との間の請負契約で、その請負代金の額が政令で定める金額以上であるものを履行するに足りる財産的基礎を有すること。
【請契約の締結の制限】
第16条
特定建設業の許可を受けた者でなければ、その者が発注者から直接請け負つた建設工事を施工するための次の各号の一に該当する下請契約を締結してはならない。
  • その下請契約に係る下請代金の額が、一件で、第3条第1項第2号の政令で定める金額以上である下請契約
  • その下請契約を締結することにより、その下請契約及びすでに締結された当該建設工事を施工するための他のすべての下請契約に係る下請代金の額の総額が、第3条第1項第2号の政令で定める金額以上となる下請契約
【準用規定】
第17条
第5条、第6条及び第8条から第14条までの規定は、特定建設業の許可及び特定建設業の許可を受けた者(以下「特定建設業者」という。)について準用する。この場合において、第6条第1項第5号中「次条第1号及び第2号」とあるのは「第7条第1号及び第15条第2号」と、第11条第4項中「同条第2号イ、ロ若しくはハ」とあるのは「第15条第2号イ、ロ若しくはハ」と、「同号ハ」とあるのは「同号イ、ロ又はハ」と、同条第5項中「第7条第1号若しくは第2号」とあるのは「第7条第1号若しくは第15条第2号」と読み替えるものとする。