施工奥村組2011年4月のオープン目指す 大阪市北区茶町で、茶屋町東地区市街地再開発組合(島田隆史理事長)が計画を進め ていた「茶屋町東地区第1種市街地再開発事業」(大阪市北区茶屋町地内)の再開発 ビルが、このほど着工した。31階建てのタワー棟を中心に学校棟や業務棟、分棟の総 延べ面積3万4,933?を整備するもので、10日に現地で安全祈願祭が執り行われた。デ ベロッパーは阪急電鉄、設計は日本設計と和田建築技術研究所、施工は奥村組が担 当。再開発ビルのオープンは2011年4月を予定している。 再開発ビルは、敷地面積7,395?に、RC造地下1階地上31階建て、延床面積約2万 8,700?のタワー棟、SRC造地下1階地上9階建て、延床面積5,110?の学校棟、S 造5階建て、延床面積1,150?、分棟として五棟総延床面積900?の規模。タワー棟 は、地下1階を駐車場、2階から3階を商業フロアとし、5階から最上階には住宅177 戸を計画している。
安全祈願祭では、厳かに神事が進む中、島田理事長、日本設計の内藤徹最高顧問、奥村組の奥村太加典社長 が地鎮の儀を行った後、関係者らが神前に玉串を捧げ、工事の無事と安全を祈願した。 再開発事業は、大阪市の上位計画の中で、「都心の再編強化」として、都心ターミナルに近接する立地を活 かし、回遊性を高める施設の誘導、オープンスペース確保が位置付けられている。このため建築物を共同化 して、立地環境に適合した高度利用を図り、道路拡幅を含む公共施設と商業・業務、住宅施設の建設を目的 としている。 整備方針では、ターミナルに立地する商業・業務環境と都心居住促進の実現を主眼に、地区のランドマーク として超高層のタワー棟により、都心における快適な住環境を創出。また、地上レベルの快適な歩行者空間 の創造として、低層部に路面型の店舗を配して地域に開かれた施設とするとともに、異なる用途を適切に配 置して調和を図ることとしている。 茶屋町東地区は、JR大阪駅や阪急梅田駅の大阪最大のターミナルに近接し、商業業務、住宅などの土地利 用上のポテンシャルが極めて高い地区となっている。隣接する西地区では、再開発ビルの「NU茶屋町」、 北側には梅田ロフトなど、多くの商業施設が立地している。しかしながら、東地区には、老朽化した木造家 屋や狭隘な道路などが残存し、空家や未利用地が増加するなど、防災・防犯上の課題や道路等の公共施設の 更新など、都市基盤の整備改善が必要となっていた。 事業化に向けては、1995年に土地利用に関する協議会が立ち上げられ、1997年には再開発準備組合が設立さ れた。1998年3月に市街地再開発事業の都市計画決定を受け、2001年12月には再開発組合が設立された。そ の後、各種の調査や事業計画の変更を経て、2007年9月に権利変換計画が認可された。