財政再建の「その先」を展望 大阪府では、「将来ビジョン・大阪」を推進する。昨年に策定した「大阪維 新プログラム(案)」により、財政再建に一定の道筋をつけたことから、 ‘その先’の新しい大阪の未来を展望するもの。大阪の目指すべき姿として ‘明るく笑顔あふれる大阪’とするため、▽オンリーワン・ナンバーワン▽ 関西の中での重点化▽分権・民主導からの視点で、将来像として「世界をリ ードする大阪産業」「水とみどり豊かな新エネルギー都市大阪」などの実現 を進めていく。 このビジョンは、2000年の総合計画策定以後、夢を持っている子供達の割合 をはじめ、大阪が元気だと思っている府民の割合、地域への愛着への割合が いずれも減少し、また、東京一極集中や該当犯罪率、学力低下などが増加す るなど、物心両面でマイナス面での割合が増加している。このため、維新プ ログラムの次の一手として、明るい明日の大阪づくりをスタートするため、 2025年を目指す同計画の下、策定後の変化や大阪維新プログラムを踏まえ、 今後の大阪の将来像をわかりやすく示すことで、関西・世界を見据え、自 助・互助の考え方等に立ち大阪の強みを活かしながら、府民みんなで進める 取り組みを示したもの。
このうち、世界をリードする大阪産業では、大阪の強みであるものづくり産業、それらを支える大阪湾ベイ エリアの新エネルギー、北大阪のバイオなど多様な産業や、世界と勝負できるコンベンション施設により、 起業や商いのチャンスが感じられる都市として、国内・海外から企業や人が集まる「産業都市ナンバーワン」 を描く。 また、関西国際空港や神戸・大阪の両港連携による阪神港を中心に道路ネットワークが整備されることによ り、夢洲地区をはじめ、大阪が物流や交流の世界の拠点として活性化していることから、「世界の物流拠点 都市オンリーワン」を目指す。このため、より便利な陸海空ネットワークづくり戦略として、大阪湾諸港の 手続きの効率化による国際競争力の強化、国際貨物便の就航等による関空の物流機能向上、淀川左岸線延伸 部の整備等による物流のための交通ネットワークづくり、利用しやすい高速道路料金体系の構築などに努め ることとしている。 このほかビジョンでは、水上カフェや川床、船着場等の水都大阪づくり、御堂筋イルミネーションや橋梁ラ イトアップなどの賑わいづくりでの大阪ミュージアム・オンリーワンのほか、分権推進都市大阪、医療先進 都市としてのオンリーワン、安全・安心ナンバーワン、教育・日本一大阪ーなどの実現を目指した取り組み を進めていく。 これらビジョンの推進にあたっては、府民や起業など「みなさんが主役」であるとし、具体的な取り組みに ついては究極の情報公開を進め、民間でできることは民間に、府民や企業の自主的な活動や能力を活かして 協働で取り組むこととしている。また、厳しい財政状況の下、財政規律を保持しながら事業の優先度をつ け、庁内横断的な取り組みを行うとともに、府民・企業・NPO・市町村など「オール大阪」で進め、大阪 の活性化を図ることで歳入の確保にも努めていくとしている。 なお。具体的取り組み状況については、毎年、将来像イメージごとに取組状況を整理し、公表していくこと としている。