
兵庫県が、1999年度から事業を進めていた一般県道塩田一宮線「よいたいト ンネル」が完成し、21日から供用を開始する。県道のバイパス道路として整 備された延長1,230mの区間で、今回はトンネルを含む680mが供用するも の。事業費は約8,400万円。 従来、集落が密集する宍粟市の与位地区から、国道29号に至るルートは、一 般県道塩田一宮線か市道の2路線のみとなっていた。しかし、両道路とも狭 隘で狭小のため、乗用車のすれ違いも困難な状況の上、1990年と2004年に発 生した揖保川の洪水時には、冠水により通行不能となるなど、災害時に与位 地区が孤立する恐れがあった。
このため兵庫県では、地域の安全安心と円滑な交通の確保を目的に、地方道路交付金事業として、1999年度 からよいたいトンネルを含む延長1,230mのバイパス整備に着手。バイパスは、宍粟市山崎町与位から同町田 井までの区間で、道路は全幅9.25m、車道2車線5.5mのもの。
いたいトンネルは、延長409mと土工部54mからなり、内空断面55?で掘削はNATM工法により実施され、 2007年11月に貫通。施工は熊谷・日下部特別JVが担当した。トンネルの工事費は約5億5千万円。工事中 は、2ヵ月半に及ぶ市道の通行止めによる国道への迂回など、地域住民の協力を得るとともに、市道には山 崎町の指定文化財である与位の洞門にも影響を及ぼさないよう、細心の注意を払いながら進められた。 なお、21日には関係者らが出席して開通式典が行われる予定で、15時から供用が開始される。