
グリーンベイ・大阪湾の形成へ 産・学・官が一体となって、国際物流の効率化により関西経済の活性化を目 指す国際物流戦略チーム(本部長=下妻博・関西経済連合会会長)の「第5 回本部会合」が10日、大阪市内のホテルで開催され、これまでの活動報告を 行うとともに、大阪湾ベイエリア活性化に向けた提言を発表した。
冒頭の挨拶で下妻本部長は、関西国際空港2期や港湾の一開港化、新名神高速道路の一部開通など、戦略チ ームとしてのこれまでの取り組みを評価しながら、世界的な金融不安にある現在では耐える時期にきている と述べ、「こういった時期こそ、環境と成長の連鎖を基軸に将来を見据えた取り組みが必要だ」とし、前向 きに効果のある活動を目指し、今後も協力していこうと呼びかけた。 次いで、戦略チームの幹事会を代表して神戸市立工業高等専門学校校長の黒田勝彦座長が、戦略チームの取 り組み状況と今後の活動についてを報告。今後の活動では、従来の活動を継続しながら、新たなコンセプト に基づき「グリーンベイ大阪湾」形成に向けての方向性が示された。この取り組みは、大阪湾ベイエリア活 性化方策検討委員会の議論を踏まえ、提言2009「グリーンベイ・大阪湾の形成に向けた国際物流の横断的取 組」としてまとめられた。 同提言では、大阪湾ベイエリアに集積するパネル及びバッテリー関連産業を軸に、省エネ・環境技術の開 発・応用の誘発を通じて関西の産業競争力強化につながることを期待し、「環境と成長の連鎖を基軸に世界 をリードするグリーンベイ・大阪湾」を形成するための戦略を明示。四つの目指すべき姿と実現に向けた方 策などを掲げ「パネルベイ」から「バッテリー・ソーラーベイ」へ、さらに「世界をリードするグリーンベ イ・大阪湾」へと、環境と成長の連鎖による上昇スパイラルを形成するとした。 会合では、関空会社の村山敦社長が「ベイエリアだけでなく内陸地域も視野に入れた取り組みを」とし、阪 神高速の田中宰会長が淀川左岸線の整備促進を訴えるなどの意見が出たほか、幹事会メンバーでロジスティ クス経営士の上村多恵子氏が、「国の財政出動に合わせ、優先順位を付けて示すべき」と意見を述べた。 また、戦略チームの副本部長である近畿地方整備局の木下誠也局長が、道路整備に関して、「厳しい予算だ が、各路線で事業手法の検討や調査、協議を行っていきたい。経済不況のおり、公共投資への期待が高まる 中、さらに議論して支援をお願いしたい」と、戦略チームの今後の取り組みに期待を寄せた。