
大阪駅北地区で先行開発地区域の核となるナレッジキャピタルのコンセプト を展示・紹介する「大阪・北ヤードナレッジキャピタルトライアル2009」が 12・13日の2日間、‘ナレッジキャピタルの可能性の発見・発信・発展‘を テーマに、大阪市北区・ほたるまちの堂島リバーフォーラムで開催された。 開発事業者で構成するKMO設立準備委員会(梶原健司委員長)が主催した もので、初日には関係者らによるテープカットが行われた。
このイベントは、ナレッジキャピタルのコンセプトである‘技術と感性の融合’をテーマに、産・官・学が 共同で進めるコラボレーションプロジェクトを先行的に展示・実演して、コラボレーション推進方法の検証 や参画者を発掘・拡大しながら、新しい成果や事業を創出することを目的に開催された。 今回は、先端産業から生活関連までの幅広い分野で研究開発・試行が行われている14のコラボレーションプ ロジェクトが参加。会場に設けられた各ブースでは、これまでの取り組みの成果についての展示や発表、実 演などが行われた。12日のオープニングセレモニーで挨拶に立った梶原委員長は、北ヤードについて「都心 に残る最後の一等地で、新しい大阪の玄関口として21世紀のまちづくりが計画されている」とし、ナレッジ キャピタルはその中核施設であり、「世界中の情報や人材を集積し、新しいビジネスやライフスタイルを世 界に発信する拠点としたい」と述べ、イベントを通して多くの人々とまちづくりを進めていきたいとした。 また、大阪市の平松邦夫市長からは、「北ヤードの開発は、大阪の都市再生をリードする拠点として期待さ れ、その成功を導くためにもナレッジキャピタルの確実な実現が必要であり、大阪市としても実現に向け協 力していく」と、トライアルの成果に期待するメッセージが寄せられた。 この後、稲田修一・総務省近畿総合通信局長、若井英二・経済産業省近畿経済局総務企画部長、木下誠也・ 近畿地方整備局長、下妻博・関西経済連合会会長、梶原委員長ら7名によるテープカットが行われた。 ナレッジキャピタルは、大阪駅北地区24haのうち、先行開発区域として位置づけられた七haの区域で、全体 の開発コンセプトである「創造の宮」の中核機能としての役割を担うもの。世界中から多様な人材が集結 し、先端技術と高い感性を融合させることで、新たな知的財産を創造する複合施設として検討が進められて いる。先行開発区域は全体をA〜Cの三ブロックに分け、オフィスや商業施設、情報受発信施設、ホテル、 住宅などを計画。このうちナレッジキャピタルはBブロックで計画される37階建ての複合ビルの低層部に配 置されるもので、建物は2012年度下期に竣工を予定している。 ナレッジキャピタルの運営にあたっては、KMO(ナレッジキャピタル・マネージメント・オーがナイゼー ション)を組織することとし、現在、その設立に向け開発事業者12社で構成するKMO設立準備委員会が検 討を進めている。 開発事業者は、NTT都市開発、大林組、オリックス不動産、関電不動産、新日鉄都市開発、住友信託銀 行、積水ハウス、竹中工務店、東京建物、日本土地建物。阪急電鉄、三菱地所。このほか、情報通信機構の 宮原秀夫理事長を総合アドバイザーに、下妻関経連会長や安藤忠雄氏、コシノヒロコ氏など、13名のアドバ イザーが参画している。