2008年度開業へ弾み 中之島高速鉄道(株)が、2008年度の開業を目指して工事を進めている中之 島線建設工事でこのほど、最終シールドトンネルが貫通し、31日に貫通セレ モニーが開催された。シールド工事は昨年10月から四つの工区で実施され、 先月中旬に最後のシールドが到達していた。これにより同線は全区間がつな がった。セレモニーには工事関係者ら約70人が出席し貫通点の除幕が行われ た。 貫通を記念する除幕は、最終シールドの到達点となった大江橋駅工区の西行 き坑口前で、午前10時から行われた。初めに中之島鉄道の中野道夫・計画部 長による事業概要の説明に続き、京阪電鉄中之島新線建設部の久ノ坪宏司部 長が工事経過報告を行い、「中之島鉄道と京阪が一体となり、細心の注意を 払いながら安全に工事を進めていく」と決意を語った。 この後、中野部長と久ノ坪部長、施工を担当している鹿島JVの山本亨所長 の3氏による除幕が行われ、合図とともにスイッチが押されるとトンネルを 覆っていた幕が取り払われ、見守っていた出席者から拍手が沸き起こった。
中之島線は、大阪国際会議場前から京阪天満橋駅までの約2.9?の区間で、中野島駅・渡辺橋駅・大江橋駅・ なにわ橋駅の四駅を設置。中之島高速鉄道が施設を建設・保有し、列車運行を京阪電鉄が行う。工事は全七 工区に分け、2003年5月に着工した。このうちトンネル工事は、第2工区(中之島から渡辺橋・291m)、第 3工区(渡辺橋から大江橋・315m)、第4工区(大江橋からなにわ橋・438m)、第6工区(なにわ橋から 天満橋・605m、536m)の4つの工区で実施された。 トンネルは、単線並列トンネルの内空径6.2mで、泥土圧式シールド工法で実施。シールド工事は、2006年10 月30日に第2工区の東行きからスタート(貫通2007年1月12日)。次いで今年に入り、2月11日に第4工区 (同4月28日)、2月28日に第3工区(同5月15日)3月12日に、それぞれ東行きが掘進を開始した。なお 第6工区のみ、シールド機2台によるなにわ橋側から掘進。西行きは3月12日(貫通6月26日)、東行きが 4月9日(同7月20日)に発進した。 折返しとなる西行きは第2工区で2月22日に再発進し、4月10日に貫通、第3工区が6月18日で8月21日に 貫通。今回、貫通した第四工区は6月8日に再発進し、10月11日に大江橋立坑に到達、シールド機の解体が 行われていたもの。 工事は今後、各駅部でのプラットホームや出入口、換気口、軌道部でのレール敷設、電気設備や内装工事な どが実施されるが、全区間が貫通したことにより、開業に向けて工事に弾みがつくこととなる。10月末の進 捗率は60%強となっている。 なお、シールド工事は、第2工区が錢高・三井住友・淺沼JV、第3工区は大成・戸田・鉄建・熊谷JV、 第4工区が鹿島・間・不動テトラ・飛島JV、第6工区は西松・大豊・森本・白石JVが担当している。