スターハウスが給水施設へ―。都市再生機構西日本支社が大阪府藤井寺市・ 羽曳野市で建替事業を進めている春日丘団地(建替後の団地名称はサンヴァ リエ春日丘)内において、スターハウスを給水施設にリユース(再利用)す る工事がこのほど完成した。 スターハウスとは上空から見るとY字型をした住棟のことで、地域の歴史や 風景の継承が重要となる建替事業において、団地のランドマーク的役割とし て住民に親しまれたスターハウスを保存・活用して次世代へ継承しようとす るもの。リユースにより、建物解体時に発生する廃棄物の削減が図れるが、 このリユースではコンクリート塊501立方mの削減効果があったという。 1960年に入居開始の春日丘団地は敷地5.1ha、4から5階建ての共同住宅23棟 とスターハウス3棟で構成されていた。2004年3月に建替事業に着手し、良 質な樹木の継承や従前の団地の材料を活用している。スターハウスのリユー ス工事では、コンクリート強度や中性化試験を行い耐久性を確認したほか、 床スラブを抜くなどの軽量化や階段室周り耐力壁の耐震補強、外壁補修、内 装材撤去、屋上防水改修、建具改修、給水施設設置、防犯に配慮した照明設 備設置などが行われた。
設計はアークポイント、施工はアルファー建設。RC造五階建て延べ717?の規模で、東側と西側が受水槽 室、南側がポンプ室。団地内では、従前の樹木をリユースしたベンチセットや、羽子板の羽根の球の部分の 材料になる珍しい木などが保存されているなど、まちの資産や貴重な素材を新たな居住環境に生かす街づく りが進んでいる。