54階の再開発ビル建設へ 神戸市中央区の旭通4丁目地区はこのほど、地権者による同意が整ったことから神戸 市に対して、旭通四丁目地区市街地再開発組合設立認可申請を行った。今後、神戸市 長から県知事に副申し、12月頃には知事認可を受ける見通しで、準備組合設立から27 年目にして再開発事業が動き出す。計画では、RC造54階建ての住宅棟と14階建ての 商業棟などから成る再開発ビルを建設、2012年度末の竣工を目指すとしている。 旭通4丁目地区は、JR三ノ宮駅の東約300mに位置する。同地区は戦後の闇市をGH Qの要請により移転した「国際マーケット」の近代化を図るため、葺合地区(戦災) 復興土地区画整理事業で、民間再開発事業との合併施行による整備を目指し、1981 年)に市街地再開発準備組合が設立された。
その後、火災やバブル崩壊によるデベロッパーの撤退、阪神・淡路大震災により事業化への道のりは多難を 極め、長時間を要することとなったが、準備組合による粘り強い取り組みが続けられ、2007年8月には都市 計画決定がなされたことから、地権者の同意が進み組合設立認可申請に至ったもの。組合は、住友不動産を 参加組合員に、土地や建物所有者ら50人で構成する。 事業は、中央区旭通4丁目の一部約1.0ha(敷地面積約8,400?)で実施。RC造一部S造54階建て、延べ約 7万2,800?の住宅棟、14階建ての商業施設棟と、5階建ての駐車場棟(延べ約6,000?)の総延床面積約9 万4,100?を建設する。住宅棟は、高さ約195mで県内最高の高さで、住戸約605戸を予定、商業施設棟では、 店舗とホテルを整備、店舗面積は約9,200?、ホテルは約6,100?に200室程度で計画。駐車場棟は約180台を 収容。 事業化にあたっては、同地区が1975年に策定した三宮東地区再開発基本計画(サンシティ計画)として位置 付けられ、また都市再生特別措置法に基づく都市再開発緊急整備地域の「三宮駅南地域」に含まれているこ とから、戦後復興事業のまちづくりの集大成として、災害に強い安全・安心のまちづくり、地球環境にやさ しいまちづくりとユニバーサルデザインにより、三宮東地区の賑わいの創出を図り、地域の核となるような まちづくりを目指すとしている。 今後、認可申請は神戸市長から県知事に副申され、今年12月頃には知事認可の見通しで、認可後に組合を設 立し、2009年度に権利変換計画の認可を受け、既存建物を除却して建築工事に着工、2012年度末の竣工を予 定している。