活力とくらしのインフラ整備 安全への取り組みにおけるもう一つのポイントとなる事件・事故を踏まえた安 全な社会づくりでは、公共交通事業者において経営トップを含む安全マネジメ ント態勢を構築するとともに、行政においても保安監査に加え、事業者の安全 マネジメントに関する取り組みを評価するのをはじめ、5年で開かずの踏切等 のすべて(約1,300か所)に速効対策を施すほか、連立事業により踏切除却を 2倍にスピードアップし、速度超過防止用ATS等の緊急整備にも力を注ぐ。
また、環境対策の強化では、エコドライブ管理システムをトラックなどへ全面普及することや、「CO2削減 アクションプログラム」による政策メニュー別目標の明確化と道路渋滞対策などで対応を図っていく。 「活力」と「くらし」に関するキーワードでは、「我が国の国際競争力の強化、観光立国の実現」、「地域活 力の維持強化、地域構造の再編」、「生活者の目線による暮らしに密着した施設の展開」、「国土交通行政の 新たな展開」と取り組んでいくことにしており、このうち、「我が国の国際競争力の強化、観光立国の実現」 では、▽ニーズに応じた国際物流施策の推進▽東アジア「準国内」物流システムの構築など、物流機能の高度 化▽安全かつ効率的な国際物流の実現▽「ポスト万博」ビジット・ジャパン・キャンペーンの展開▽国際競争 力のある観光地の戦略的形成▽観光立国推進のためのソフトインフラ整備――を図る。 また、「地域活力の維持強化、地域構造の再編」においては、来街者をひきつける賑わいの核づくりや公共公 益施設の立地支援、賑わいのある歩行者空間づくり、公共交通機関の利便性向上などを通じて中心市街地の再 生を目指すほか、都市計画制度の見直しによる都市機能の適正立地に努めていく。 「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインの考え方を踏まえ、生活環境や連 続した移動環境をハード・ソフトの両面から整備・改善していく「生活者の目線による暮らしに密着した施策 の展開」では、▽ハートビル法と交通バリアフリー法の一体化▽関係者連携による公共交通利用円滑化の協働 スキーム構築▽施設管理者間の協定による連続的なバリアフリー化▽住宅政策を総合的・計画的に推進するた めの新たな枠組み――に重点を置いて各施策を推進。また、「国土交通行政の新たな展開」については、証券 化手法を活用した不動産有効活用の促進、新たな国土形成計画の策定などと積極的に取り組んでいく。 こうした重点施策を通じて、国民の暮らしに直結する質の高い行政サービスを提供していく国土交通省。創立 5周年を機に、国民の視点に立った、より効果的、効率的な行政サービスを全般にわたって展開していく。