▼品確法 情報提供や手法を検討 ――公共工事品質確保促進法、いわゆる品確法が施行されました。業界では 期待する声も大きくありますが、府県、市町村レベルでの運用に不安視する向 きもあります。
「大阪府ではこれまで、VE提案の実施等の試みも実施してきたところですが、スタッフが不足する市町村で の運用に課題があることは聞いております。府も指導するといった立場ではないため、、府が実施した事例の 情報提供を行うといった形で協力は可能かとは思いますが、現在の段階では具体的にどうこうは言えません ね」 ――市町村によっては、公共工事入札契約適正化促進法(入契法)の施行もままならないところもあり、さ らに品確法の運用が求められる。 「府としては今後、技術提案がきちっと評価できる仕組みや工事成績の適切な評価、あるいは新たな発注方式 などの手法を契約局などと連携しながら研究していかなければと思っております。ただ世論の高まりによりで きた法律ですから、やるべきことはやっていきます」 ――建築確認での耐震強度偽造が問題になっておりますが府の対応は。 「国土交通省とも連携しながら、各確認検査機関に再チェックを要請しており、場合によっては現場検査も実 施します。安全や安心に関してはアスベストもそうですが、やはり根本になるもので、きっちりとする必要が ありますから」 ――不良施工の防止はもとより、不良・不適格業者の排除も従来からの課題となっている。経営事項審査も 審査体制の強化により成果を上げている。 「不良・不適格業者の排除も古くて新しい問題です。手抜き工事や粗漏工事などを防ぐ上でも、いかに優良な 企業を育てていくかが基本。府では業界団体と連携した建築振興研究会をつくっており、現場見学会を開催し ました。現場で働く人々に興味を持ってもらい、またいろんな人に見られことできっちりと工事をする。結 局、安全なものをつくるということが建設業界の信頼を高めることにつながると思いますね」
【右上の写真:大阪府のPFI「筆ヶ崎住宅民活プロジェクト」の完成予想】