大阪市港湾局は、咲州(南港)・舞州(北港)・鶴浜(大正)地区の港湾関連 用地や都市機能用地等を造成する大阪港埋立事業を地区別に精査し、計画的で 効果的な企業誘致を進めている。昨年は分譲地に物流、不動産、百貨店、食品 関連企業の進出が相次ぎ、今年1月には新たに医療系大学への分譲が決定し た。2005年度末には約120億円超の売上を予測している。21年度までにさらに 企業誘致を促し、680億3,300万円の収入を得るという。 《不動産、百貨店研修施設、大学など 今年度末に120億円売上予測》
大阪港埋立は収益性が高いものとして特別会計の港営事業会計に計上されている。造成地の活用で新たな市税 収入を生み出し、大阪経済の活性化や市民の雇用増進を図るという目的で1958年から事業を進めていた。しか し、バブル経済の破綻で進出希望企業が極端に減り、将来の収支予測が不十分であったため事業は一時、停滞 していた。 その後、港湾局と会計士や弁護士、学識者らでつくる大阪市港湾事業経営改善委員会が発足し、企業誘致によ る収支改善を検討。企業誘致の見直しで住宅建設も可能となり、04年度から3地区の未処分地で土地売却が本 格的に進んだ。OTS線・コスモスクエア駅前には同地区立地促進助成制度の対象施設第1号として近鉄不動 産の分譲マンション、次いでリバー産業、アーバンコーポレイションが進出している。 咲州・舞州の流通関連用地では昨年、咲州で3件、舞州で3件を分譲した。産学協同研究の核となる大学誘致 を促す咲州には1月に学校法人森ノ宮医療学園への分譲が決まり、森ノ宮医療大学(仮称)を提案している。 物流機能の強化を図る舞州の物流関連用地には佐川急便、プロロジスの物流施設が立地している。舞州スポー ツアイランド用地では阪急百貨店の研修施設が工事中だ。 港湾局では今後、咲州コスモスクエア?地区でプロポーザル方式により不動産企業から土地利用の提案を募 る。また舞州のスポーツアイランド用地ではミズノグループと連携して土地利用の促進を図る。ホームセンタ ーの進出が間近に迫っている鶴浜については、人口回復につながる住宅、商業施設、ウォーターフロント、緑 地など複合的なまちづくりを進める。
【写真:計画的で効率的な企業誘致が進む臨海部】