(社)建築業協会関西支部(淺沼健一支部長)は2月2日、大阪府発注で竹 中・間・安藤・錢高・松村・ベクテルJVが施工中の「大阪府警察本部棟新築 第2期工事」(大阪市中央区大手3−1−16)作業所での現場見学会を開催し た。支部の建設CALS研究部会が主催したもので会員各社から40名が参加し た。府警本部2期棟は、2002年に完成した1期棟に隣接する約5,150?(全体 約1万7,000?)の敷地に建設し、1期棟と接続するもの。建物は、SRC造一 部S造地下3階地上10階建塔屋2階、建築面積約6,000?、延床面積約6万 2,000?の規模で、03年4月に着工した。 BCS関西の現場見学会 同現場では、国土交通省や大阪府が推進するCALS/ECの導入方針に沿っ て建築JVの提案により、大阪府初の建設CALS/EC実証現場としてIT 化への取り組みを進めているもので、見学会では、初めに工事概要とそれらの 取り組みについての説明が行われた。現場でのIT化への取り組みでは、「情 報の共有化と一元化、全員参加」目標に、現場に情報管理センターを設置し て、入退場管理はじめ、建築と設備、機械の総合図書作成等などのシステムを 構築。JVスタッフ全員がメールアドレスを所有し、工程から品質管理までの 事前調整や連絡を実施。
【写真上は現場見学会のもよう、写真下、作業所内を見て回った】 また、職長用のパソコンを設置してJV間はもとより、職長間の情報共有も行い、さらに協力会用のホームペ ージを開設して伝達事項の開示、新規入場者教育等の情報提供にも努めている。これらについて岡田因善・統 括所長は、「予想以上の成果があり導入して良かった」とその効果を評価。また4か月毎に入れ替わる新入社 員教育にも成果があったとしている。 一方、作業においても柱鉄筋の先組みにおける組立自立ユニットの開発はじめ、基礎梁の下地施工、基礎鉄骨 建て方やコンクリート打設での工夫など各種の施工改善事例が紹介されたが、これらの概要説明でも現場で作 成したパワーポイントが使用された。 この後、担当者の案内により作業所内を見学。地下から1・2階、5階で実施されている各作業をつぶさに見 て回った。躯体工事は5階部分まで進んでおり、今年8月までに躯体を打ち上げ、今年度中には外装工事を終 える予定としている。工期は07年12月20日。現在まで約50万時間に及ぶ無事故・無災害記録を継続中。