

まちびらきは2008年春予定 都市再生機構らは7日、大阪市福島区福島1丁目の大阪大学病院跡地 (2.1ha)再開発「水都・OSAKAαプロジェクト」事業計画を発表した。 同プロジェクトは、堂島川と土佐堀川に挟まれた水の都・大阪の中心に位置 する中之島で阪大病院跡地を「文化・情報発信」「にぎわい」「居住」の三 つの機能を持つまちとして、放送局や多目的ホール、超高層マンション、商 業施設などを整備するもので、2008年春のまちびらきを予定している。 《放送局や超高層マンション》 プロジェクトの対象地は、都市基盤整備公団(現都市再生機構)が2002年3 月に用地取得、大阪市らで構成される大阪大学病院跡地利用懇談会が2003年 7月にとりまとめた「同跡地利用に関する提言」をふまえ、地区全体を西側 のA街区(8,500?)と東側のB街区(1万2,700?)に分け、それぞれ事業 企画提案方式で事業者募集を実施。2003年12月にA街区事業者を朝日放送 (株)、2004年6月にB街区事業者をオリックス・リアルエステート(株) を代表企業とするグループに決定した。
A街区では、S1部SRC造地下1階地上16階建て、延べ約4万4,800?の規模を有する朝日放送新社屋を 2005年11月に着工(設計=隈研吾建築都市設計事務所、NTTファシリティーズ)。業務拠点機能として本 社オフィスを、にぎわい・文化集客機能として300席の公開収録ホールや広場を、情報発信機能として4つの テレビスタジオ、5つのラジオスタジオを導入する。2007年12月の竣工を予定、移転は2008年春から順次行 う。 B街区では、オリックス・リアルエステート(株)、三菱地所(株)、住友商事(株)、関電不動産 (株)、京阪電鉄不動産(株)が事業者となりRC造地上50階建て塔屋1階建て、延べ7万3,206.15?、総 戸数561戸の規模を有する地上177?の免震構造を採用した超高層マンション「TheTowerOsak a」(設計・監理=竹中工務店・三菱地所設計設計監理共同企業体)を2005年11月着工、2008年6月竣工予 定。また(株)ビープラネッツが1,200席、延べ約5,000?の多目的ホールと高級レジデンスを2006年夏に着 工し2008年春に竣工予定としているほか、オリックスリアルエステートが伝統芸能教室やスーパーマーケッ ト、レストランなどが入居する4階建て商業施設を2007年春に着工し2008年春の竣工予定としている。A・ B街区とも施工は竹中工務店。 《安藤忠雄氏「美しい大阪の散歩コースに」》 プロジェクトB街区総合監修者で大阪のまちを元気にするための様々な活動を行っている建築家の安藤忠雄 氏は「大阪に緑が少なく、ごみは多い。行きたくないまち1位に選ばれることもあったが、美しい大阪は取 り戻せるはず」と話し、桜の会・平成の通り抜けの活動状況に触れ「現在、3万8,000人からの寄付が集まっ ている」と紹介した後、プロジェクトについて「川という大きな緑をとりこみ、美しい大阪の散歩コースの スタートラインになれば」と語った。 同プロジェクトは、2008年開業予定の中之島新線始発駅、玉江橋駅(仮称)の対岸に位置する。大阪の文化 を発信し、人が暮らし、にぎわう複合都市拠点への新しい人の流れは、水都・大阪再生への先導役として重 要な役割を果たすものと大きな期待が寄せられている。
【写真上:プロジェクトの工事現場状況/写真下:水都・OSAKAαプロジェクトの完成予想図(左が朝日 放送新社屋、中央が超高層マンション】