
大阪市建設局阿倍野再開発事務所は、阿倍野A1地区第二種市街地再開発事 業(第2工区)の特定建築者を募集したところ、A2棟を東急不動産(株) に、A1−2棟をアイディーユー・奥村組JVに決めた。A2棟はイトーヨ ーカ堂を核店舗とする延べ18万3,721?規模の大型商業施設、A1−2棟はリ ゾートトラスト(株)運営のホテル、総合地所(株)を分譲事業協力者とす るマンションなどでつくる地上24階建て大型複合ビルで、ともに20年度 の着工、22年度の竣工をめざす。
【写真】イトーヨーカドーを核店舗とする大型商業施設イメージ
特定建築者の公募は3月に実施され、両棟の事業協力者がそれぞれ応募した。多胡進大阪市立大学名誉教授を 委員長とし、弘本由香里立命館大学政策科学部非常勤講師ら4人を委員とする選定委員会が、資力・信用力や 敷地譲渡対価の支払い能力など総合的な観点から審議し、14日に両者を最優秀事業者に選定した。 東急不動産(株)の計画によると、A2棟は地区のランドマークタワー・地上40階建てあべのグラントールの 隣り、敷地3万7,804.75?に、S造・SRC造地下2階地上6階建て、延べ18万3,721.73?規模の大型商業施 設を建てるというもの。総合スーパーや大型専門店、物販・飲食店、エンターテイメント、ホールで構成さ れ、イトーヨーカ堂、東急ハンズらの入店が決まっている。 開発コンセプトは「ABENO ENTERTAINMENT」。日常・都心・行楽という志向的機能要素を 設計に採り入れているのが特徴だ。外観は圧迫感を取り除いた分節街街並み型の建築とする一方、内部は時代 の変化に対応できる業種で構成される。また、楽しさや賑わいを増幅させるために環境デザイン・サイン計画 を総合的に演出するデザインレイヤー手法を考案している。 施設の基本設計は安井建築設計事務所。総事業費は約220億円を見込む。 一方、アイディーユー・奥村組JVの提案では、A1−2棟はあべのセンタービルと金塚東四号線に挟まれた 未開発地2,718.29?で、ホテル・住宅・スクールなど併設の大型複合ビルを建設する。SRC・RC・S造地 下二階地上24階建て延べ2万6,350.44?平方の規模。リゾートトラスト(株)、総合地所(株)、日本管財 (株)が参画している。 建物は3、4階の外壁に設置する大型映像ボードと地下1、2階の開放的アトリウム空間により賑わいが演出 され、住宅とホテルの融合を象徴したマリオンによる端正な外観が特色。内部はホテル196室、SOHO的な 住宅98戸、エンターテイメント性の高いスクール、誰もがゆるりと過ごせる店舗などで構成。基本設計は松 田・平田設計事務所が担当した。