「支部長に選任されたことは光栄に思うとともに、状況の厳しさから身の引き締まる思 いはあります」と語るのは、5月の支部総会で支部長に就任した本庄正史・大林組専務 執行役員。公共工事品確法や改正独禁法の施行により、「かつて経験したことのない環 境に直面してる」との認識を示し、「将来の姿が見えずまさに正念場であり、非常に重 要な時期」とする。 その状況下にあっての支部活動では、「本部との連携を密にし、ベクトルを合わせて展 開したい」としながら、社会資本整備の担い手でありながら、業界に対する世間一般の イメージは必ずしも良くなく、それらを払拭するため「広報活動を幅広く展開すること が重要課題のひとつ」とイメージアップ向上に向けた取り組みを上げる。今年度の活動 では、7つの委員会を中心にしながら、契約制度の改善や積算の適正化など「公共工事 に関する諸問題の検討と解決に地道な努力を積み重ねていきたい」と述べ、広報活動に ついては「施設を利用する方々にも建設事業等の役割を十分に理解してもらうことも重 要」とし、支部全体で取り組むこととした。
建設業はこれまで、社会資本整備の一環を担って懸命に努力してきたが、国民によく理解されていないのが現 状で、イメージが必ずしも良いとは言いにくい。従って「建設業のイメージをアップをする必要がある」と強 調する。 一方、品確法に対しては「地方での運用が課題」としながら、‘価格と品質で総合的に優れた企業が勝ち残れ る’とする基本理念に沿った自己研鑽が必要との考え方を示した。また低入札に関しては、「会員企業の戦略 もあり、協会として制約を設けることはできない」としながらも、「最終的なつけは業界に戻ってくる」とす る。自ら「ダム屋」を任じ、20年近くダム建設に携わってきた。なかでも、アメリカ・オレゴン州でのエル ククリークダムでは、環境問題で工事中止に追い込まれたが「印象に残る仕事」と言う。 趣味はトレッキングにスポーツ観戦。「アンチ巨人です」。モットーは‘自然体’「物事についてあまり構 えないようにしています」。多難な時期での支部長就任だが、今後は流れに抗うことなく「自然体」での支部 運営に期待がかかる。 本庄正史(ほんじょう・まさし) 1969年4月大林組入社、1992年10月富郷ダム建設1期工事所長、1997年10月東京本社土木技術本部統括部長、 1999年6月東京本社土木事業本部長室長、2000年11月四国支店長、同2001年6月取締役(本店統括部長)、 2003年6月常務取締役、2005年6月専務執行役員。京都大学大学院工学研究科修士課程修了。神戸市出身。61 歳。