

安全・安心・快適な居住環境を創出 安全・安心・快適な生活を満喫―。大阪府が、居住水準の向上ならびに土地の 有効・高度利用を図ることを目的として、「大阪府営茨木西福井住宅」(茨木 市西福井2丁目)において進めていた第2期高層住宅(建て替え)新築工事 (第1工区)が完成し、今月1日から入居が始まった。鉄筋コンクリート造八 階建て、延べ床面積3,940.87?の規模を有するもので、戸数は48戸。施工を担 当した山本・正龍経常建設共同企業体では、他工区との調整を密に図りながら 安全第一に品質の向上を目指していき、全工期無事故・無災害での高精度施工 を見事に達成して多くの関係者から寄せられていた期待と信頼に応えた。
【写真上:第1工区に完成した大阪府営茨木西福井住宅第2期高層住宅】
【写真下:ダイニングキッチン】
〜戸数48戸、多彩な間取りプラン・多様なニーズに対応〜 府営住宅の建設事業などを通じて、昭和20年代の戦後復興期における住宅不足の解消、昭和30年代から40年代 にかけての高度経済成長期の大量の人口流入に伴う住宅需要への対応、昭和50年代以降の安定成長期における 量から質への転換など、時代の社会的要請や府民ニーズに応えながら、低所得者の居住の安定や居住水準の向 上に取り組んできた大阪府。また、住宅の建設や建替に併せて、周辺の市街地整備との連携や福祉施策との連 携、景観への配慮など、地域のまちづくりにも力を注いでいる。 この結果、昭和30年代から40年代にかけての高度経済成長期における大量ストックを中心に、大阪府では、約 370団地、約13万戸の府営住宅ストックを有しているが、これらの中には老朽化の著しいものや居住水準の低 いものなどが多数含まれている。 一方、近年においては、急速な高齢化社会の進展に対応したバリアフリー化の推進をはじめ、地域福祉やまち づくり施策との連携、循環型社会への移行に伴う施設の長寿命化への要請といった課題も抱えている。 このため、大阪府では、「大阪府府営住宅ストック総合活用計画」に基づきながら、建替、改善、維持保全等 の事業を推進し、資産としての有効活用を図っていく方針で、▽良好なコミュニティ形成を目指した地域のま ちづくり▽安全で安心して暮らせる住まいづくりーと取り組んでいる。 その一翼を担う建替事業においては、狭小で老朽化が著しく、最低居住水準未満世帯の多い木造・簡易耐火住 宅の早期建替完了を目指すとともに、中層耐火住宅についても、昭和20年代から30年代にかけて建設されたも のを中心として建替事業に着手することにしており、建替に際しては、バリアフリー化された「あいあい住 宅」をはじめ、車いす常用者向けのハーフメイド方式による「MAIハウス」、や「シルバーハウジング」な どの特別設計住宅を供給している。 こうした背景の下、JR「茨木」駅からバスで約15分、その後徒歩で約10分の茨木市西福井2丁目に位置する 「大阪府営茨木西福井住宅」において進めていた第2期高層住宅(建て替え)新築工事がこのほど完成し、今 月1日から入居が順次始まった。 1967年に建設された2階建ての簡易耐火住宅(総戸数385戸)の団地を3期に分けて建て替える事業は、建て 替え入居者の仮住まいを不要とする目的から、隣接する用地を買収して取得した土地に第1期の住宅を建設 し、転入後に旧住宅跡地に第2期住宅を建設するという手法で推進。第1期高層住宅(建て替え)新築工事に よって完成した1号棟(RC造10・11階建て、総戸数155戸)の入居は、2004年3月1日から始まり、旧住宅 の解体などを経て第2期高層住宅(建て替え)新築工事に着手した。 建て替えの全体計画は、団地が市街化区域と市街化調整区域の境界付近に位置しており、都市化が進んでいる 地区と自然環境の保全を目指す地区との接点となっているため、主として住環境から自然環境への繋がりを重 視しており、南北および東西の主要道路を中心にレベル差のある地形特質を活かした住棟配置によって周辺へ の圧迫感を軽減。また、地域住民が身近にコミュニケーションの取れる場所を創出できる配置計画とする方 針。 こうした計画に基づいて鮮やかな変貌を遂げていく「大阪府営茨木福井住宅」。第2期高層住宅(建て替え) 新築工事は、4工区に分割して進められ、鉄筋コンクリート造8階建て、総戸数87戸の2号棟(延べ床面積 7,261.34?)と、鉄筋コンクリート造6・8階建て、総戸数80戸の3号棟(同6,423.59?)が完成した。 このうち、山本・正龍経常建設共同企業体が施工した第1工区の戸数は48戸で、内訳は3DK28戸、3LDK 10戸、4DK4戸、2DKMAIハウス4戸、3DKMAIハウス二戸。多様な世帯構成の居住に対応できる 多彩なプランを揃えている。 〜山本・正龍経常建設共同企業体〜 大規模な建て替え事業によって更なる変貌を鮮やかに遂げた「大阪府営茨木西福井住宅」。その一翼を担う第 2期高層住宅(建て替え)新築工事(第1工区)の施工を担当し、鉄筋コンクリート造8階建て、延べ床面積 3,940.87?、戸数48戸の高層住宅を高品質に完成させたのは山本・正龍経常建設共同企業体。矢野進管理技術 者、小出伸彦現場代理人をはじめとするJVならびに各協力会社の精鋭スタッフが品質の向上を目指しながら 安全第一に工事に取り組み、多くの関係者から寄せられていた期待と信頼に応えた。 他工区との調整を密に図りながら円滑な工程を確保していったその工事が本格化したのは、2005年7月中旬。 GLマイナス3.25mまで掘り下げる掘削から着手した。 湧水がGLマイナス1.2m付近からあったものの、ポンプアップによる排水に努めながらドライワークを保った 掘削は約1週間で完了。この後の基礎工事も順調に進捗し、9月8日に基礎コンクリートを打設した。 埋め戻しを経て10月からは躯体工事に着手。ワンフロア当たり15日ピッチで上昇していき、今春の4月7日に 打ち上げを果たした。 年明けからはサッシュの取り付け、造作大工などの内装もラップするに至り、6月中旬に完了。また、外構に ついても8月10日にすべてが終了し、「全工期無事故・無災害での工期内竣工」という作業所方針を見事に具 現化した。 協議会において各工区の工程確認を行い、大型資材の搬入日を決定したほか、生コン打設日についても微調整 を重ねるなどして円滑な工程の確保に努めた山本・正龍経常建設共同企業体。品質管理面においては、躯体構 造品質ならびに仕上げ精度の向上に全力を傾けた。 具体的には、コンクリートの打設に先立って、各担当職 員との事前協議を入念に重ねて打設計画の周知徹底を図るとともに、打設時にはバイブレーターによる締め固 めを十分に行って対応。また、仕上げ工事については、各業種の自主検査の励行などによって高品質を確保し た。 全工期無災害で高品質施工・他工区との調整蜜に円滑な工程確保 一方、近隣対策としては、8時から18時までの作業時間、9時から17時までの大型車両の搬入時間を厳守。な お、コンクリート打設時は18時以降まで作業がずれ込むことから、事前に自治会長の了承を得て作業を継続し た。 このほか、整理・整頓・清潔・清掃・躾の5S運動を展開し、安全でクリーンな職場環境の創出に努め ていた山本・正龍経常建設共同企業体では、墜落災害・飛来落下災害・重機災害の防止を重点項目として定め た安全管理活動を緻密に展開。本店・本社による安全パトロールなどを通じて全作業員の安全意識の高揚を図 り、3万6,000時間におよぶ全工期無事故・無災害を達成した。 矢野進管理技術者の話=JV職員ならびに各協力会社の作業員との良好な人間関係を築きながら、品質の向上 を目指した工事の竣工を全工期無事故・無災害で迎えることが出来たのは大きな喜びであり、大阪府をはじめ とする関係者のご支援、ご指導に対しまして、心よりお礼申し上げます。 小出伸彦現場代理人の話 現場が府営住宅と隣接していたため、近隣の皆様方への迷惑防止にはとりわけ留意して工事を進めましたが、 幸い、多大なご協力を賜り、円滑な工程を確保することが出来ました。ここに改めて感謝申し上げます。