早期開通へ道路特定財源の確保に全力 近畿地方整備局は10月28日、一般国道24号京奈和自動車道大和・御所道路の 「御所区間」(橿原市新堂町 五條市居傳町間13.4?)の起工式を、事業用地 内の橿原市観音寺町で行った。来年度から工事を本格化させ、概ね10年後の供 用開始を目指す。総事業費は約1,700億円。式典には、国土交通省道路局の原 田保夫次長、近畿地方整備局の布村明彦局長、奈良県の柿本善也知事ら関係 者・来賓約150人が出席。
※写真:関係者らによる鍬入れ 京奈和自動車道は、大和平野を南北に縦貫し京都と和歌山を結ぶ延長約120?の高規格幹線道路。既存の高速 道路や主要な国道と連携することで相互のネットワークを形成し、地域間の交流促進、国道24号の交通渋滞の 緩和や交通事故の減少、時間短縮を目指しているもの。奈良県内では、4月に大和区間9.5?が開通し、西名 阪や大和高田バイパスと連絡を図った。また、和歌山県内でも4月に橋本道路5.6?が開通したほか、奈良県 と和歌山県を連携すると五條道路・橋本道路4.2?が6月に供用開始している。 式典で式辞を述べた近畿地方整備局の布村局長は、こうした相次ぐ開通にふれ「国道24号の交通混雑の解消や 移動時間の短縮など、各地域からは好評をいただいている」と語った上、「道路効果を最大限に発揮するため に残る区間についても、地域の期待に応えられるよう早期開通に向けて着実に整備を推進していきたい」と決 意を述べ、今回の起工に当たって関係者や用地提供者に感謝の意を表した。また、国交省の原田道路局次長が 「伝統・文化に恵まれた地域にとって、利便性の向上、地域の活性化に大きく寄与するものと確信している」 と期待を寄せ、地元の柿本知事も「この日を心待ちにしていた。皆さんの熱心な努力が実り、感謝したい。道 路はつながってこそ意味がある」と喜びを語った。 今後の道路整備の大きな課題は道路特定財源の確保。布村局長、原田次長、柿本知事、さらには祝辞を述べた 地元選出の国会議員も、この点を重要視し、一般財源化反対を強く訴えた。原田道路局次長は「6月に道路中 期ビジョン案を取りまとめた。今後10年間に供用が必要な道路として、御所区間も位置づけられている。道路 特定材源の確保に向け、これから年末にかけて納税者の理解が得られるよう努力していきたい」と国の方針を 語った。最後に、関係者・来賓、さらに橿原市と御所市の地元小学生二人を含め計18人で鍬を入れ、待望の着 工を喜び合った。 大和御所道路は、大和区間と御所区間で構成される延長約27.2?。御所区間13.4?は、現在、用地買収が75% 完了し、文化財の調査を進めている。御所区間は7?が高架橋、4.8?がトンネル、1.6?が盛土。トンネルは 巨勢山トンネル(延長1,580m)、水泥トンネル(同1,290m)、新田トンネル(同1,328m)、東佐味トンネ ル(同338、)、朝町トンネル(325m)の五つのトンネルを設け、山岳地帯を掘り進む。道路は第1種2級、 設計速度は毎時100?の四車線。幅員は高架橋部分が22m、、トンネル部分が30m以上。