

夢洲と新島 大阪港開発の歴史は、ある意味で人工島造成の歴史でもある。1958年に始まっ た「南港造成事業」から既に半世紀にわたり続けられてきた人工島造成事業で は、これまでに咲洲(面積約1,048ha)、舞洲(同約224ha)を誕生させ、それ ぞれの立地特性を活かした機能や施設の集積が進んでいる。これらに続く事業 となるのが夢洲と新島の2つの人工島造成事業で、現在も造成工事が鋭意、実 施されている。 ※写真上:スーパー中枢港湾の核となる夢洲 ※写真下:今年度末に護岸が概成する新島 夢洲は、約391haを造成するもので、工事は1977年に着手。外周護岸築造後に 内側を4区に仕切り、1987年からそれぞれの受入を開始している。1区の約 73haは、大阪市内から発生した一般廃棄物を、2区109haと3区106haでは浚渫 土砂と陸上土砂、また4区97haは1991年から受入を開始している。
これら埋立・造成工事では、大阪市部55.4ha、埠頭公社部19.6ha、国の直轄部1.0haの合計76.4haが竣功して いる。なお、夢洲の計画投入量は約4,717万立方mとなっている。 この夢洲では、国際競争力を備えたコスト・サービスを実現し、21世紀のモデル港湾を目指す「スーパー中枢 港湾」としての役割が求められ、既に四区では高規格コンテナターミナルの整備が進められているほか、大動 脈となる夢洲トンネルの整備も順調に行われている。 一方、第4の人工島となる新島は、計画面積203.6haで、整備にあたっては1区、2−1区2−2区に分けて 整備。このうち1区95haは、「大阪湾フェニックス事業」として先行整備し、事業は大阪湾広域臨海整備セン ター(大阪湾フェニックスセンター)が担当する。 フェニックス事業は、延長3,717mの護岸を構築して、一般廃棄物490万立方m、産業廃棄物630万立方m、陸 上残土280万立法mの合計1,400万立方mを受入。護岸は、先端部から西側と北側にかけては自然環境に配慮し た傾斜護岸、岸壁として利用する南側は直立消波ケーソンを採用。また2−1区と接する東側は鋼製セルを打 設する。 工事は、2001年10月の地盤改良工事から着手され、現在では護岸工事を実施中。南護岸のケーソンは、RC製 の高さ9.6m、長さ20m、幅8.5mを標準規格とし、既に48函が据付られており、北側の傾斜護岸と西側護岸を 合わせて約2,800mの護岸が海面上に姿を見せている。また、鋼製セル5函も今月中には据付が終了する予定 で、現在の進捗率は約80%に達し、今年度末までには開口部2か所を除いて護岸が概成する予定。 フェニックスでは2008年度からの受入を予定しているが、土地利用に関しては港湾関連用地や緑地などが計画 されている。