10年間で166施設が対象、建築物及びその敷地で実施 大阪府はこのほど、「府有施設等緑化推進計画(建築物及びその敷地編)」を策定した。4月から施行され る、一定規模以上の建築物への緑化を義務付ける条例と併せ、府有施設への緑化推進にあたっての現況調査 と、対象となる166施設への今後10年間を計画期間とした緑化目標とその取り組みについてをまとめたもの。 なお、計画は5年を目途に見直しを行うこととしている。 大阪府では、都市におけるみどり空間を確保するため、「大阪府自然環境保全条例」を改正し、4月1日より 一定規模以上の民間施設の新築や増築、増改築時における緑化を義務付けることとし、これに併せて府有施設 等(建築物及びその敷地)については、既存施設も含めて一律に敷地面積の20%の緑化基準を定めた。 今回策定された計画は、それら府有施設の今後の緑化推進方策を策定するために実施してきた緑化状況調査の 結果を基に、緑化が不十分な施設について今後10年間の緑化目標をとりまとめるとともに、緑化目標の設定と 目標達成への道筋を示したもの。 計画の対象となる府有施設は、府及び府が設立した地方独立行政法人が設置・管理する施設のうち、都市公園 や道路、港湾施設及び河川などを除く建築物及び敷地からなる施設。また、対象となる緑化としては、植栽や 花壇、敷地内の保全された樹木とそれらに付随して設けられる園路、土留などとした。 対象となる府有施設は14部局・法人が設置・管理する1,732施設で、このうち交番はじめ972施設が対象外とな るため、760施設が緑化すべき施設に充当。さらにこのうち、全体の78%にあたる594施設が緑化基準を達成し ているため、残る166施設が対象となる。 計画期間は、2006年度から2015年度までの10年間とし、2011年度にはそれまで5年間の緑化状況を踏まえた中 間評価を行い、必要に応じて計画の見直しを行う。目標では、前半終了年度2010度末の緑化基準達成率を概ね 85%に、計画末には90%に引き上げるとした。 また、施設の構造や立地上等の理由で計画期間内の基準達成が困難な施設については、緑化率向上に継続して 努めるものとして、「長期的対応」とした。 目標達成にあたっては、 ?都市の環境改善効果の高い緑化 ?美しい景観を形成する緑化 ?人に優しい緑化 ?循環型社会に貢献する緑化 ?維持管理できる緑化 ――留意することとした。 環境改善効果の高いものとしては、樹木中心のボリュームのあるものや屋上緑化、壁面緑化などで、ヒートア イランド現象緩和や大気浄化の改善を図る。また循環型社会への貢献では、雨水・循環水の活用や落葉の堆肥 化など資源循環への配慮、太陽光・風力などの自然エネルギー活用、緑化施設へのリサイクル材導入などを挙 げている。 このほか、新たな緑化空間がなく、従来手法では緑化が困難な施設については、壁面緑化やプランター緑化、 駐車場緑化(芝生化)、屋上(ベランダ)緑化の手法検討を求めている。