

道路ネットワーク形成は不可欠 近畿地方整備局並びに近畿各府県・政令市らの各発注機関と、社日本道路建 設業協会による「2007年度道路建設事業にかかる意見交換会」が5日、大阪 市内のホテルで開催された。交換会には発注者側から、近畿整備局の布村明 彦局長はじめ各担当者が、協会からは原毅会長はじめ本・支部役員らが出席 し、総合評価方式はじめ道路整備事業の諸問題について意見を交わした。 交換会では初めに、官民を代表して布村局長と原会長が、それぞれ挨拶し た。布村局長は、企業立地の要件として道路等のインフラが整備されている 例を挙げ、関西全体の高速ネットワークについて「首都圏や中部地域に比べ 遅れており、道路が途切れている状況」と現状に触れ、自治体や経済界から 要望を汲み上げながら応えていきたいとし、「道路も含め更新の時代を迎え どう使うが問われており、機能がますます重要となる」と指摘した。 また、ダンピングについて「全国で近畿が最も多い」とし、価格競争だけで なく品質競争の面から総合評価方式の導入を上げ、「世界に冠たる日本の土 木技術を育てるために品質競争により伸ばしていきたい」とし、意見交換会 を自由な話し合いで実り多い場としたいと期待を寄せた。
原会長は、生活基盤としての道路整備へのニーズは高く、「安全で安心な生活環境を確保する道路整備事業 は重要であり、その担い手である我々には高い社会的使命が課せられている」と語り、そのためにも多様化 する入札契約制度等に適切に対応し、またコンプライアンスの定着と企業倫理確立を通じて、「良識ある企 業活動の推進に努めていく」とし、意見交換では相互理解が深められればとした。 意見交換は▽総合評価落札方式における課題について▽舗装施工管理技術者制度について▽制度等に関する 課題について―を議題に行われた。このうち、総合評価方式については、「適用ガイドラインの公表と評価 の統一性確保と結果を公表してほしい」との要望が出された。 これに対して整備局から、同時のガイドラインは作成していないとし、評価については、「地域によって評 価が異なり統一性確保が難しい」と理解を求め、結果公表に関しては、簡易型ですでに公表しており、標準 型以上についても「今後検討する」とした。 発注の平準化や競争参加資格確認資料等の提出期間延長の要望については、平準化には十分留意していると し、提出期間でも「25日から30日、短期でも10日程度と適切に対応している」と回答。また、技術提案に関 して「予定価格オーバーでも提案結果を技術評価点に反映してほしい」と有効活用を訴えたのに対し整備局 では、予定価格オーバーでは「認めない」とした。 舗装施工監理技術者制度では、経営事項審査での加点と全国統一の制度運用を求めたことについて、「経審 では評価していないが本省に要望は伝える」とされ、統一運用については「全国でばらつきがあり資格要件 は難しい」との考えを示したほか、アスファルト舗装工事施工体制実態調査の継続と活用では、「参加資格 要件として実施しているが、ホームページなどでの公表を検討したい」との意向が示された。 意見交換を通して、地方自治体での総合評価方式の取り組みについて整備局では、「府県では数件程度、市 町村は遅れが目立っている」と現況に触れながらも、「前向きに検討したいとする自治体が増えているのは 良い傾向だ」とした。