

技術専門委メンバーら40人が参加 (社)建築業協会関西支部(淺沼健一支部長)の現場見学会が4日、「西梅 田プロジェクト(ブリーゼタワー)新築工事作業所」(大阪市北区梅田2− 4−9)で開催された。同支部技術専門委員会が「現在、大阪で注目を集め るプロジェクトのひとつ」として企画したもので、見学会には支部会員各社 から約40人が参加し、熱心に場内を見て回った。この建物は、敷地面積 5,291.89?に、S・SRC造地下3階地上34階建て塔屋1階、建築面積 3,616.04?、延床面積8万4,790.04?の規模で計画され、鹿島が施工を担当 しているもの。 見学会では、初めに作業所の森田富夫所長から、「敷地条件から低層階と高 層階の形状が異なり、その取り合いが難しかった」と、都市型施工に起因す る工事のポイントや概要の説明を受けた後、森田所長らの案内により、28階 と事務所試験施工部分、7階ホールと、それぞれの工程が進むフロアを見て 回った。同作業所では、逆打ち工法により施工効率を高めながら、躯体工事 でCFT工法を採用し、東西の2工区に分けながら順次、躯体を建ち上げ た。躯体には制震ダンパーを2階から28階に計110台設置。
基礎工事では、大深度SMW(GSS)工法を採用。隣接する建物には杭がなかったため、同建物にジャッ キアップを施したほか、JR東西線の地下函体とは4から5mと近接するため、その養護策として山止めア イランド工法により慎重に作業が進められた。 また、ビルの特徴であるダブルスキンカーテンウォールは、二重サファードとすることで高層ビルでありな がら外気の取入れを可能としたもので、オフィス階の南北面に使用されている。 参加者は、各種作業が進む作業所内をつぶさに見て回りながら、同作業所における種々の取り組みに対して 森田所長の説明に耳を傾け、メモを取り、写真撮影を行っていた。西梅田プロジェクトは、(株)サンケイ ビルと(株)島津商会が事務所やホール、商業店舗等で構成する複合業務ビルとして計画。施設は地下一階 から地上六階までを店舗、7階から9階はホール(912席)、10階から上階を事務所フロアとし、最上階には レストラン等を配するもの。 ビルのデザインアーキテクトはドイツ人の建築家、クリストフ・インゲンホーフェン氏が、設計監理は三菱 地所設計で、ホール部分は鹿島建築設計本部が設計協力したほか、建物全体の照明デザインを石井幹子氏が 手掛けている。 工事は2006年6月に着工し、躯体は既に上棟を終え、現在では高層階での外装工事、低層階では内装工事や 仕上げ工事が行われている。工期は2009年7月31日、進捗率は約57%で、これまで延べ82万7,723時間に及ぶ 無事故・無災害記録を継続中。 なお、ビル名称であるブリーゼは、英語の「そよ風を意味する「BREEZE」をもとにした造語で、風が 通り抜け、光あふれるビルを表したもの。