

船着場施設の整備・運営 大阪府では、「八軒家浜賑わい施設(仮称)整備等事業」で民間から事業提 案を公募していたが、このほど最優秀提案者に京阪電鉄を代表とするグルー プを選定した。大川沿いの八軒家浜に新設される船着場の管理と、賑わい施 設の整備、維持管理、サービス施設に関する提案を求めていたもので、同グ ループでは、S・SRC造地下1階地上1階、延べ1,378.42?の施設を整備 する。施設は2009年3月末に整備を終え、運営を開始する予定。 自然・歴史・文化をつなぐ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ この事業は、旧淀川(大川)沿いの八軒家浜に、府が新設する船着場の管理 運営機能と併せ、八軒家浜の活性化を図る賑わい施設を整備して維持管理・ 運営を行うもので、その整備と運営にあたっては公設民営方式を採用して、 民間事業者の企画力、ノウハウ、実行力などを最大限に活かすため提案を公 募したもの。
最優秀提案者となったのは、京阪電鉄を代表に、関西電力、サラヤ、サントリー、毎日放送の5社で構成す るグループ。今年1月20日から25日までの提案受付には同グループのみが応募。事業提案委員会(委員長= 増田昇・大阪府立大学大学院教授)が、施設計画、景観・コスト縮減、維持管理と運営計画、事業の実現性 や継続性の観点から審査を行い、同グループの提案を最優秀提案としたもの。同グループの提案は、「自 然・歴史・文化をつなぐ」を基本コンセプトに、「自然」に憩い、「歴史」を知り、文化を「楽しむ」こと の出来る、新しい形態と価値観を持った施設を創出することとしている。 施設は、S・SRC造地下1階地上1階、建築面積990.96?、で、船着場(313.08?)、情報発信施設 (403.32?)、サービス施設(445.79?)などで構成する延床面積1,378.42?の規模。 水辺空間の利点を最大限に活用し、かつて舟運と陸路の結節点であった岸岐を再生、公園とテラスによる空 間の広がり、広場と一体となった施設では八軒家浜の魅力と歴史を伝える展示を行う。また、大阪で一番の 「静かな大阪の良さ」を感じるレストラン、四季を感じ、文化を奏でる場といしてのテラスを設ける。 同 提案について審査委員会では、「八軒家浜の歴史や文化的背景を踏まえた提案で、実現性や継続、発展性が 高い」とし、施設に関しては、「各機能と施設が相互に効果発揮できる配置計画で、機能性と利便性を考慮 した最適なもの」と、それぞれ評価している。 府では今後、最優秀提案者である同グループを優先交渉権者として詳細協議を行う。事業契約締結後に設計 と工事に着手し、2009年3月末までに施設の引渡しを行った後、維持管理・運営業務を開始する。なお府で は、施設の設計費と建設費(工事監理含む)として3億円を上限として負担する。 府では、都市再生プロジェクトの決定を機に策定された「水の都大阪再生構想」を受け、2006年度から「八 軒家浜水陸交通ターミナル整備」計画に着手。大川左岸の京阪電鉄天満橋駅ビルから下流の天神橋にかけて の延長500mに、船着場やオープンスペースと一体となった親水空間の整備を進めている。 整備は1期と2期に分けて実施。今回の賑わい施設事業は、2期として実施される天神橋側の300mで、親水 護岸やウッドデッキなどの整備と併せて計画された。なお天満橋駅側の一期200mでは船着場等の完成に伴 い、今月29日に開港式が予定されている。