5月13日に記念シンポ開催 (社)日本建築家協会近畿支部(吉羽逸郎支部長)が主催する「第3回関西 建築家新人賞」の受賞者に、荒谷省午氏(36)=荒谷省午建築研究所と、玉 置順氏(43)=玉置アトリエが決定した。表彰式は23日に開催される支部総 会席上で行われる。同賞は、意欲にあふれた建築家の育成と発掘を目的に、 45歳以下のJIA建築家を対象に応募を受付、地域特性や芸術性など総合的 に判断し、将来が期待される建築家に与えられる。今回は応募のあった16名 の中から選出された。
受賞作品は、新谷氏が「TRAPEZOID」、玉置氏が「トウフ」。審査は、木村博昭・京都工芸繊維大 学大学院教授を委員長とする3名の審査委員が審査を行った。審査にあたり木村委員長は、社会性を踏まえ 作家性を重視したとし、受賞作品については「時間を超え、消費しない残るもの」と評価。吉羽支部長は、 「応募者も増え、新しい力の台頭を嬉しく思う。若手にとっても意味のある賞となってきた」と、今後に期 待を寄せた。 TRAPEZDIDは、西宮市に昨年竣工した、RC造地下1階地上3階建て、延床面積194.32?の専用住 宅。敷地条件から全体ボリューム、さらに空間構成を考えたとし、材料はじめ家具、小物等まで「素材感の 貧しいものは避けた」と既製品に頼らず、自ら手掛けたとした。受賞にあたっては、「物に対する感覚、細 部までのこだわりが評価されたことは嬉しい」と感想を語った。 トウフは、京都市に在住する高齢者を対象とした専用住宅で、10年前に竣工した玉置氏のデビュー作品。S 造平家、延床面積111.84?の規模。施主の意向を受け廊下を介さず各部屋への移動を考え、建物全体は塊を 削っていった、「壁の分厚さの中に部屋がある」ものとし、「賞の受賞は素直に嬉しい」と喜びを語った。 なお、表彰式では両氏に賞状と賞牌が贈られるほか、5月13日には大阪市中央公会堂で、受賞作品の紹介と 審査委員による受賞記念シンポジウムが開催される。問合せ・申込は、JIA近畿支部(電話06-6229- 3374)まで。