具体的提案を求める、プロジェクト絞込みへ 国土形成計画(全国計画)(案)へ、地方独自の計画提案を検討する「近畿 圏広域計画検討会議」の4回目が13日、大阪市内のホテルで開催された。会 議には会長の秋山喜久・関西広域機構会長並びに、橋下徹・大阪府知事はじ め12府県の各知事、4政令市の市長、近畿地方整備局ら国の地方行政機関の 代表者らが出席し、近畿整備局から示された主要プロジェクトを基に意見交 換を行った。
会議では、前3回の会議で議論された「近畿圏の目指す姿」とそれの実現に向けた「戦略」を基に、近畿整 備局が議論のたたき台とするために具体的な取組としてまとめた「広域的連携のもと共通に取り組む主要プ ロジェクト」について、各自治体から意見を求めた。 初めに国土交通省の辻原俊博・国土計画局長が、道路税をめぐる混乱により全国計画の閣議決定が遅れてい るとしながら、「地方計画は留まることなく進めてほしい。近畿圏のあるべき姿をしっかりと示すためにも この会議が有意義なものとなるよう期待する」と挨拶した。次いで秋山会長が、これまでの会議内容を踏ま え、「関西、近畿を世界に誇る魅力ある地域とするため、各地域が独創性を活かしながら有機的に連携する 必要がある。そのためにも、関西の多様性、独創性を持った関西ならではの計画をつくりたい」と活発な議 論を期待した。 続いて近畿整備局から ▽本物を大事にし本物を活かす文化首都創生 ▽大阪湾ベイエリアの再生▽陸・海・空の広域ネットワーク形成 ▽大都市連携による中枢機能確保と快適都市実現▽広域生活圏形成による都市機能向上 ▽東南海・南海地震等に備えた広域防災・危機管理体制構築 などの12の主要プロジェクトと、関西における「新たな公」についての説明が行われた。 これらプロジェクトに対し、「地域性にこだわらず大関西圏として他圏にできないものを主張すべきでは」 (仁坂吉伸・和歌山県知事)、「縦割り行政と横連携の地方自治体をどう交わらせるのか」(荒井正吾・奈 良県知事)、「決め手となるものがなく、もう少し具体性がほしい」(井戸敏三・兵庫県知事)などの意見 が出され、また、橋下知事は、関西3空港の一元管理など府県単位で出来ないものが多く、「国が大局的見 地からやっていただくしかない」と、国と地方の役割の明確化を求めた。 秋山会長は、国からのトップダウンでなく、地域、市民の目線で国に要望するのは初めてであり、府県レベ ルだけでなく、市町村からの意見も聞きたいとし、「全国横並びから地域独自のものに、また、近畿の範囲 をどう考えるか周辺地域も含めた連携を考えたい」と、広域連携のあり方を示唆しながら、今後、検討会か ら協議会へ移行し意見をまとめていきたいとした。また最後に、近畿地方整備局の布村明彦局長が、「この 会議は、関西全体で取り組む最低限のことを決めるもので、今回の意見を基に計画を練っていくが、表現も 出来るだけ具体的に示していく」と述べ、今後の協力を要請した。 会議終了後の会見で秋山会長は、地方計画の中では「近畿が一番進んでおり、関西らしいものをつくりた い」と意欲を見せ、今後、協議会でプロジェクトの絞込みを行い、中間整理的なものを発表したいとした。 協議会では今後、法定市町村の提案を踏まえた「計画原案」を策定し、パブリックコメントを経て、近畿圏 広域地方計画を決定したい意向。