2010年1月の稼動目指す、施工は竹中・鹿島JV 松下電器産業らの出資会社(株)IPSアルファテクノロジ(米内史明社 長)が、大型液晶パネルの生産拠点として計画を進めていた「IPSアルフ ァテクノロジ姫路工場」(兵庫県姫路市飾磨区妻鹿日田町)の地鎮祭が14 日、建設予定地で執り行われた。テレビ用IPS液晶パネルの効率的な生産 体制の構築を図るための最新鋭工場で、工場は五階建て、延床面積約36万? の規模。地鎮祭には米内社長はじめ関係者ら約130人が出席して、工事の無 事・安全を祈った。施工は竹中工務店・鹿島JV。 10時から行われた地鎮祭では、厳かに神事が進む中、地鎮の儀で米内社長が 穿初めを、施工JVを代表して竹中工務店の竹中統一社長が鋤入れを行った 後、出席者が順次、神前に玉串を捧げ、それぞれに工事の無事と安全を祈願 した。神事修了後、挨拶に立った米内社長は、計画発表から短期間での起工 は「関係者の努力の賜物」と謝辞を述べ、工場建設については、「生産体制 を拡大し、競争力を付加してグローバリーマーケットで日本の産業の力を発 揮したい」とその役割に期待を寄せ、「完成までタイトな工期だが、安全に 留意して完成に向け努力してほしい」と呼びかけた。
また来賓挨拶では、兵庫県の五百蔵俊彦副知事が、「デジタル化が加速する中、世界最高峰の技術を駆使し て世界に打って出るその成果に期待する」と述べ、石見利勝・姫路市長もお祝いの言葉を披露したほか、竹 中社長の音頭により出席全員で万歳を行い、工場の起工を祝い合った。 同工場は、姫路市の臨海部の出光興産兵庫製油所跡地の敷地約48万?に、工場棟とCF(カラーフィルタ ー)棟、ユーティリテイエリアなどの各施設で構成。このうち工場棟は5階建て、延床面積約36万?の規 模。構造は、高強度コンクリートを充填した鋼管柱による躯体構造システムであるコンクリート充填鋼管柱 (CFT)構造を採用した。 また、施設全体では省エネルギーや省資源、リサイクル性能などの環境配慮へ、積極的に取組んでいる。敷 地の緑地化や断熱材の採用、センサー制御のよる照明計画などで省エネ化に務め、CO2の削減率で既存工 場の25%減を目指す。 また、CFT構造の採用により、施工効率の向上と産業廃棄物削減に取組むほか、環境負荷低減対策、雨水 や生ゴミの再利用、再資源化を計画。これらの取組みにより建築物総合環境性能評価システム(CASBE E)で最高基準となる「Sランク」を申請した。 工場の完成は、平成21年7月を予定。2010年1月から生産を開始、基板サイズ第8世代の液晶パネルをフ ル稼働時で年間約1,500万台(32型換算)を生産する。投資額は約3千億円。