大阪府が中間報告まとめる 大阪府住宅まちづくり部はこのほど、第2京阪道路沿道における計画的なまちづくりを促進するための取り 組みに関する中間報告をまとめた。沿道沿いの乱開発を防止するため土地利用ニーズと土地所有者等に、土 地活用に関する情報提供を行うことを目的に実施した調査の検討結果をまとめたもので、土地所有者等に農 地からの転用(開発)を一方的に求めるものではないとしている。 対象となったのは、2009年度末に開通する第2京阪道路沿道に位置する市街化調整区域の門真市(北島地 区)、四條畷市(砂地区)、寝屋川市(高宮地区、小路地区、星田駅前地区、寝屋東部地区)、枚方市(茄 子作・高田地区)、交野市(星田地区)の5市8地区、約160ha。 調査は3,644社の企業を対象に、企業の土地利用に対するニースの把握、企業ニーズと土地所有者等の土地活 用に関するニーズがマッチングする条件の整理等を中心に、2007年8月から12月にかけて、アンケートとヒ アリングを実施したもの。調査では、用地取得に興味を示したのが小売業と製造業、運輸業の三業種。その 理由として「幹線道路沿いである」ことや、「大都心に近接」、「まとまった土地が確保できる」を上げ る。土地の価格では、坪当たりで製造業が25万円から36万円、運輸業22万円から33万円、小売業27万円から 73万円。土地取得法では、製造・運輸は購入、小売業は借地ーなどの結果が得られた。 これら結果を踏まえ、計画的なまちづくりを進める上での課題として、この結果、土地価格は企業の希望価 格が周辺の地価公示価格よりも低く、用地取得も購入と借地に2分化されるが、取得時期は供用開始に伴い 早期取得が予想されるとし、特に製造・運輸業では、周辺住民や学校、病院等のトラブルが回避できるよう な立地条件を求めていることが課題とされた。 この課題に対して考えられる対応として、土地価格については、区画の大規模化による基盤整備費用の削減 やデベロッパー等の民間ノウハウ活用による整備削減、事業の早期完了による金利負担削減等を示す。ま た、用地取得では、将来の土地活用で企業ニーズと同じ意向を持つ土地所有者を土地区画整理字魚によって 集約、取得時期に関してはデベロッパー等の民間ノウハウ活用により事業の早期完了を目指すとしたほか、 地区計画等で土地利用の純化や緩衝地帯を設けて地元とのトラブル回避などを上げた。 今後の関係者の取り組みとして、企業ニーズに対して導入可能と考えられる手法や導入事例、導入にあたっ ての条件や課題の整理を行うとともに、土地所有者等の土地活用に対する意向等を反映した土地利用の案、 事業手法等について検討を行い、住民等が行う計画的なまちづくりを促進していきたいーとしている。 この調査は、大阪府が第2京阪道路をモデルに取り組む「幹線道路沿道まちづくり促進事業」にあたり、道 路の開通に伴い懸念される乱開発を防止するため、土地所有者や住民等による計画的なまちづくりを促進す るために実施された。
対象地域は、道路の開通により土地利用のニーズが飛躍的に高まることが予想される中、主に農地として活 用さる市街化調整区域で道路隣接用地だけが開発され、奥まった土地が未開発となる一方、土地所有者も活 用希望者と営農を継続したいという相反する意向がある上、まちづくりに対する理解とノウハウの不足など から、土地一筆毎に産業廃棄物置場や資材置場が乱立するなどの乱開発の恐れがあると予想されている。