洲本橋では桁架設も進捗 兵庫県では、2004年の台風で被害を受けた洲本川水系で、激甚災害対策特別 事業として河川改修工事を実施しているが、このうちの橋梁架換事業で、千 草川の三合橋がこのほど完成、12日に供用を開始した。また洲本川の洲本橋 でも橋桁架設工事が進められている。 2004年10月に発生した台風23号では、洲本川流域で浸水被害が発生、特に洲 本川と千草川の合流地点においては、流下能力を超える流出量が記録される など、その対策が急務なものとなっていた。このため兵庫県では、洲本川は じめ、支川である千草川、猪鼻川、樋戸野川、巽川において洲本川水系河川 激甚対策特別緊急事業として河川改修工事に着手、河道掘削や拡幅工事を実 施するとともに、河川基準に合った橋梁架換事業を実施しており、今回、千 草川の洲本川合流点に架かる市道洲本川南堤防線の三合橋が完成したもの。 従来の橋は、1964年に建設された橋長71.98m、幅員車道5.5m(全幅6.12 m)、上部工はプレテンション方式六径間単純PCI桁、下部工は橋台2 基、橋脚5基の構造で、5基の橋脚が洪水流出を妨げる一因となっていた。 河川改修工事では、川床を約1.8m程度掘り下げることから、同基準を満たす 構造として架換工事が行われた。
新しい三合橋は、橋長70.3m幅員は車道5.5m、歩道2.0mの規模。上部工はプレテンション方式3径間連結 PC中空床版、下部工は逆T式橋台2基、小判型橋脚2基で、基礎杭として鋼管杭径800?、L12.5から19.0 mを37本打設した。 特徴としては、工場製作されたPC桁桁3本を現場で連結して1本にして設置することにより、橋梁舗装部 のジョイントを無くし、車の走行がスムーズとなったほか、ジョイントの解消により維持管理コスト軽減が 可能となった。新橋の完成により、洲本市栄町と物部地区のアクセスが向上するとともに、地域の安全と安 心に寄与するものと期待されている。なお工事は、下部工を中川工務店と森下建設、上部工は日本ピーエス が担当した。事業費は約2億4千万円。 一方、洲本橋は、橋長121.5m、幅員6.12m(車道5.52m)、橋台2基、橋脚5基のプレテンション方式6径 間単純PCI桁橋で、昭和39年に建設されたもので、架替工事は総事業費約14億円で、2006年11月から実施 されている。新しい橋は、洲本市塩屋に位置する橋長116.0m、幅員12.8m(車道7.0m、歩道2.5m×2)、 4径間連結PCポストテンション方式T桁橋で、下部工は逆T式橋台2基、同橋脚3基で、基礎構造は現場 打ちコンクリート杭径1,200?L18から31m56本のもの。 現在では、下部工事が終了し8月より橋桁の架設に着手。架設工事にあたっては、洪水の出水機関中でも工 事継続が可能な鋼製の桁架設用桁を使用した工法を採用している。施工は、下部工を横山基礎工事と新井組 が、上部工は安部日鋼業が担当。 なお、激甚災害対策特別事業は2010年9月の終了を予定している。なお、洲本橋で2009年11月の供用開始を 予定しているが、今月17日には地元住民を対象に架設工法の現場見学会を開催するなど、事業に対する理解 とアピールに努めている。