(社)建築業協会関西支部(奥村太加典支部長)では「2008年度BCS・V E発表会」を5日、大阪市西区の建設交流館で開催した。VEに対する理解 を深めるとともに、VE制度導入の実効を高めることを目的に毎年、東京と 大阪で開催しているもので、発表会には支部会員各社をはじめ、設計や行政 の担当者ら約220人が参加した。 発表会では、初めに主催者を代表してBCS本部の大久保和夫専務理事が挨 拶。大久保専務は、厳しい経営環境の中では足元を固めることが必要と述 べ、「こういった時期に売れるものは何かを考えることも必要で,VEもそ の1つであろう」とし、BCSが25年前から取り組んできたVE活動を振り 返った。 これら活動について大久保専務は、「VEは企業の提案をどう認めてもらう かより、業界のノウハウを発注者に活用してもらうことで、制度ではなく中 身が問題だ」とし、総合評価方式のさらに先を見据え、「企業の提案を公共 工事の内容に導入してもらうことを目指したい」と語り、発表会が実りある ものとなるよう期待を寄せた。
この後、‘総合評価方式とVE’をテーマに、近畿地方整備局の小山貢美雄・営繕部営繕調査官が基調講演 を行ったほか、会員各社が実施している九件のVE事例の発表が行われた。発表事例は次の通り。 ▽集合住宅におけるVE・山留工法の開発(淺沼組) ▽病院におけるVE・地下躯体の合理化(清水建設) ▽物流倉庫におけるVE・基礎工事の合理化(フジタ) ▽集合住宅におけるVE・基礎工事の合理化(共立建設) ▽集合住宅におけるVE・地上躯体施工方法の改善(竹中工務店) ▽ホテルにおけるVE・設備配管工事の先行化(鹿島) ▽介護施設におけるVE・給湯熱源の改善(松井建設) ▽病院におけるVE・免震装置管理の合理化(大林組) ▽空港施設におけるVE・改修工事の合理化(三井住友建設)