(社)日本土木工業協会((葉山莞児会長)の「100万人の市民現場見学会」 が12日、第2京阪道路建設工事のうち、竹中土木が門真地区で施工中の現場 で開催された。社会基盤整備の必要性をアピールするとともに、その担い手 である建設産業の果たす役割への理解を深めてもらうことを目的に実施して いるもので、今回は摂南大学工学部建設環境システム工学科の学生29人が参 加し、建設の進む下部工事の様子を見て回った。 見学会は、「大阪北道路北巣本地区連続函渠その他工事」並びに「第2京阪 (大阪北道路)門真地区下部その他工事」の現場で実施された。 初めに、土工協を代表して関西支部の幹事を務める永井康治・竹中土木常務 が挨拶に立ち、日々の生活を支える社会基盤は長年にわたり積み上げ来たも のであり、「それを担う我々は誇りと理想を持って仕事をしてきた」と述 べ、見学にあたっては、「物を造る喜びや巨大構造物を築いていく喜びを見 てほしい」と、その成果に期待を寄せた。次いで、発注者である近畿地方整 備局浪速国道事務所の先本勉副所長が第2京阪道路の事業概要を、竹中土木 の勝川周春作業所長が工事概要を説明した。
門真地区下部その他工事は、門真市上島頭・下島頭地先から横地先までの680mに、RCラーメン橋脚10基と 鋼製橋脚フーチング一基、L型耀壁や連続カルバートボックス、盛土工等を構築するもの。現在では、本体 工事を終え、残工事が実施されているが、同工区では、廃棄物対策が最大のポイントとなった。同工区内に は、高レベルのダイオキシンが残存していたため、確認された焼却残滓と汚染土壌への恒久対策を実施。対 策工事は、対象区域内を移動式の防塵建屋で覆った上で焼却灰と汚染土壌の掘削・除去・入替を行ったもの で、「世界でも例のない処理法」(勝川所長)で、工区全体の工期短縮に大きく貢献したとしている。 一方、大阪北道路北巣本地区連続函渠その他工事は、門真市北巣本から上馬伏地先間の延長618mの区間に、 2から4連続の函渠を上下線合わせて16基L227m、RCホロースラブ橋12基、U型擁壁、軽量盛土などを行 うもの。学生達は、勝川所長はじめ現場スタッフらの案内により、完成した橋脚や足場から施工中の函渠工 事など、写真を撮りながらつぶさに見て回った。 門真地区下部工事は、3月20日が工期で進捗率は約96%で、これまで約430万時間に及ぶ無事故・無災害記録 を継続中で、北巣本地区は2010年2月20日が工期で、進捗率は約40%、無事故・無災害記録も約8万時間で 継続中。 第2京阪道路は、6車線の自動車専用道路と2から4車線の一般道路で構成する一般国道一号線のバイパス として、京都と大阪を結ぶ延長約28.3?の路線。既に10.5?が供用中で、残り17?は2010年3月の供用開始 を予定している。なお、北大阪道路は、大阪府域の国道部分の呼称。