(社)大阪建設業協会の奥村太加典会長は24日、大阪市内で会見を行い、今 年度の活動方針や協会運営などについて語った。今年度事業について奥村会 長は、「会員がメリットを体感できる活動を」と述べた。会見は森本晴夫副 会長も出席して行われた。
会見で奥村会長はまず、就任後の1年間を振り返り、「就任直後と現在では状況が一変し、さらに厳しくな った」とし、特に原油価格高騰による資材の値上がり、さらに夏以降の金融危機の影響により、「真摯に建 設業に取り組んでいる地域の有力業者の存続すら危ぶまれ、予断を許さない状況となっている」と懸念を示 した。 このため資材価格の高騰に対しては、単品スライド条項の発動を求め、「全国建設業協会と一体となり、国 土交通省へ働きかけ実現した」と述べ、また、確認申請に係る円滑な運営を要望し、成果を得たとし、協会 としての取り組みを語った。 2年目の取り組みに関して奥村会長は、森本副会長はじめ役員、事務局とともに協会運営に努めながら、 「会員がメリットを体感できるような活動を心掛けていきたい」と意欲を見せた。 会員に対するメリットについて奥村会長は、会員各社から会費で運営する協会としては「会費に見合うメリ ットを感じてもらうことは当然」とし、また、協会がどのような活動を行っているのか会員各社に十分、理 解してもらう必要があり、「それらの周知活動にも力を入れていきたい」との方針を語った。奥村会長は、 業界を取り巻く厳しい環境について、公共投資が縮小する中では民需に注力してるが、「経済危機により民 間投資も冷え込み、設備投資も厳しい状況になっている」と現状を語り、「景気を支えるには公共投資によ る内需拡大が重要」との見方を示し、外需による本格的な景気回復までのつなぎとして、内需を刺激する公 共投資の役割を述べ、「そのため全建と共同歩調をとり、PRしていきたい」とした。 一方、入札契約制度に関しては、総合評価方式の導入が拡大されていることについては「肯定的に評価して いる」としながら、低入札調査基準価格に疑義を呈した。奥村会長は落札率の低下傾向を懸念、「100%近い ところを目指したい」と述べ、「一足飛びにはいかないが、調査価格引き上げについて、繰り返し要望して いきたい」との意向を示した。 また森本副会長は、奥村会長とともに活動を展開してきたが、「結果出ないことに忸怩たる思いがある」と 昨年を振り返り、来年度はその原因を追求しながら、「地域の建設業が生き残るためには何をすべきかを、 真剣に考えていきたい」と述べた。 会見ではこのほか、公益法人制度による公益社団法人か一般社団法人かの移行について、「それぞれのメリ ット、デメリットを調査、判断して検討していきたい」とした。また、協会100年史を発刊したことが報告さ れた。