日本ペイント(株)(松浦誠社長)はこのほど、沖縄県宮古島市にある同社の 暴露試験場「宮古島ウェザリング試験場」2001年8月開設)を、基盤研究機能 強化を目的に規模を拡大し、「宮古島ウェザリングセンター」としてリニュー アルオープンした。同センターは1万8,400?の敷地の中に、管理試験棟・倉 庫の建物施設(延べ床面積192?)を有し、評価試験機器(光沢計、分光式測 色計など)、気象観測機器(日射計、紫外放射計、結露計など)を備えてい る。試験架台用地は7,000?、架台数は400台(試験板架設4万枚)、実物試験 用地は3,960?となっている。
【写真:宮古島ウェザリングセンターの全景】
《塗膜性能研究の中核基地》 宮古島は、世界の暴露試験基準地域とされているフロリダと同程度の緯度に位置し、海洋性亜熱帯気候区高温 多湿型気象条件という、塗膜劣化促進には最高の環境にある。さらに、同センターは海岸から約100mの距離に あり、塩害による耐食性試験にも適している。また、島内には財日本ウェザリングテストセンターの宮古島試 験場もあり、日本における最高の暴露環境であることが認知されている。同試験場の汚染データを活用するこ ともでき、同じく島内にある宮古島地方気象台の気象観測データを相関分析に活用するなど、暴露試験に関し て絶好の立地条件を有している。同センターでは、自動車や建物などに塗装される塗料を試験板や塗装実物な どに塗装し、その塗膜が太陽光や雨などの自然環境の下ではどのような要因で、どの程度劣化するのかを調査 する暴露試験を行う。 同社では今回のリニューアルを機に、同センターは国内ほか3カ所(北海道富良野町、千葉県旭市、大阪府寝 屋川市)及びアジア五社の暴露試験場と海外三カ所の委託暴露試験場をネツトワークとして繋げ、寝屋川市や 東京都品川区の研究所ともリアルタイムの情報交換を行って、同社の塗膜性能研究の中核基地の役割を果たし ていく。