銀橋と対をなす美しいアーチ橋 冬柴国交相、関市長、安藤氏ら出席 近畿地方整備局大阪国道事務所が一般国道1号桜宮拡幅事業(東野田交差点か ら東天満交差点間約0.7?)として、1999年度から工事を進めていた「新桜 宮」が日に竣工し、橋上でテープカット、親子三代の渡り初め、桜之宮公園で 桜の記念植樹を行い、待望の竣工を関係者や地元住民らで華やかに祝った。新 桜宮橋は、桜宮橋(銀橋)と全国的にも例のない新旧が対となった美しいアー チ橋。16日と17日にかけて順次車線を切り替ながら一般に開放する予定。今後 はすべての交通をいったん新桜宮橋に移し、銀橋を閉鎖して補修工事を実施、 2007年度内を目標に六車線整備と歩道拡幅の整備を終える方針だ。新桜宮橋の アーチ橋は、市民の意見を参考に有識者で構成したデザイン検討委員会で決定 され、新桜宮橋の施工は鴻池組、五洋建設らが担当している。 ※写真上:関係者によるテープカット、久寿玉開披 ※写真下:桜の記念植樹をする冬柴大臣と安藤氏(右)
親子3代の渡り初め、桜の記念植樹で華やかに祝う 〜桜の記念植樹も〜 竣工式には冬柴鐵三国土交通大臣をはじめ、宮田年耕道路局長、布村明彦近畿地方整備局長、関淳一大阪市 長、梶本徳彦大阪府副知事、デザイン検討委員会の安藤忠雄氏ら、また、地元自治会や地元学校の関係者、設 計施工者、渡り初めを行う親子3代の代表など、約100人が出席。 冒頭、近畿地方整備局の布村局長が「この地域は、昔から大阪市民にとってなじみ深いところ。2つの橋が出 来上がったことで、これまで以上に市民に親しまれるものと確信している。銀橋も補修工事を行い、2007年度 内の供用を目指したい」とした式辞を述べ、無事竣工に地元関係者や設計施工者に対して感謝の意を表した。 この後、あいさつに立った冬柴国土交通大臣が「銀橋と対をなす美しい新桜宮橋は、大阪市民だけでなく、近 畿の誇り。私も大阪の出身で感慨深い。美しい景観を創出する2つの銀色のアーチ橋が全国的に有名になり、 ぜひ多くの人々にこの地域を訪れてほしいと願っている。きょうは、いろいろと思い出深い1日になるだろ う」、また、大阪市の関市長が「親子のすばらしい銀橋が出来上がったことで、この地域が大阪の名所になる ことは間違いない」と、それぞれ喜びを語った。 さらには、記念メッセージとして、デザイン検討委員会のメンバーで建築家の安藤忠雄氏が「新桜宮橋や銀橋 は大阪のシンボル。人々の心に残るものを造っていかなければならない。桜の植樹も、いま4万3,000人の市 民から協力をいただいている。双子橋の誕生で、大阪も元気を出してほしい」と語った。 引き続いて、大阪市立扇町総合高等学校ブラスバンド部のファンファーレ・楽曲演奏により、冬柴大臣、宮田 道路局長、布村局長、関市長、安藤氏ら九人でテープカット、府・市の議会議員や地元選出の国会議員11人に よる久寿玉開披、親子三代による渡り始め、関係者による桜の記念植樹を行い、待望の竣工を祝った。 一般国道1号桜宮拡幅区間は、大阪都心部と大阪北東部を隔てる大川(旧淀川)に架かる数少ない路線である ため、慢性的な渋滞が発生している。同拡幅は、国道1号の東野田交差点から東天満交差点までの0.7?につ いて交通混雑の緩和、快適で安全な歩行空間の確保、地域の活性化を目的とし、現道幅員22m(4車線)から 幅員40m(6車線)に拡幅しているもの。 新桜宮橋のデザインは市民の意見を参考に、有識者で構成した新桜宮橋デザイン検討委員会で決定。新旧2つ の橋の調和を図るため、アーチライズを揃えるとともに、アーチリブ、補鋼桁の部材高を極力低くし、スレン ダーな橋とした。また、国内でも事例が少ない大型アーチ橋を厚板全断面溶接で施工するなど、今後の橋梁建 設でも貴重なデータを提供している。