小学生親子17組が参加・地震の揺れ体験、排水池築造工事ら見学 (社)大阪建設業協会(奥村太加典会長)では、夏休み恒例の「親子現場見学 学会」を29日に開催した。将来を担う子供達に建設業に対する興味を持って もらうことを目的に、同協会広報委員会が毎年、実施しているもので、今年 は小学生の親子17組が参加して、奥村記念館(奈良市春日野町4)と、大阪 府水道部の村野浄水場(枚方市村野高見台7−2)の施設と排泥池・排水池 築造工事の現場を見て回った。 見学会一行は、初めに奥村記念館を訪れた。見学に先立ち、主催者を代表し て、同記念館の建設にも関わった平子高育・広報委員会委員長(奥村組取締 役常務執行役員)が、「地震の揺れを体験できる装置や建物の免震装置など を見たり、体験して夏休みの良い思いでとしてほしい」と挨拶した。 同記念館は、奥村組が創業100周年を記念して、同社創業の地である奈良に昨 年4月に開設。建物は敷地面積約780?に、RC造2階建て、延床面積約580 ?の規模。館内は1階をショールームとして、同社の歴史はじめ、同社が手 掛けた土木・建築物、プロジェクトなどを紹介するとともに、地震の揺れを 体験できる装置、免震装置の構造模型を展示。また、2階は若草山などを眺 望できる展望テラスとしている。
見学では、担当者の案内により、阪神大震災の揺れを免震「なし」と「あり」で体験したほか、外部の見学 スペースから、建物基礎に取り付けられた高減衰積層ゴムによる実際の免震装置を見学した。同館では、開 館以来、これまで約14万人が訪れたとし、今谷凌一館長は、「当初は、素通りされることが多かったが、次 第にボランティアガイドさんらが観光客を案内して来てくれるようになった」と話している。 午後からは、村野浄水場へ移動。見学に先立ち財大阪府水道サービス公社村野分室の末浪光喜室長らから、 日本最大級の給水能力を誇る同浄水場の施設概要の説明と、府営水道の歴史などを紹介したビデオ上映が行 われた。 施設見学では、混和池から沈殿池、ろ過池さらに高度浄水処理の各施設と工程について説明を受けながらつ ぶさに見て回った後、同浄水場内で建設されている「村野浄水場排泥池・排水池築造工事」の現場を見学。 同工事は、錢高組・大本組・大豊建設JVが2005年8月から実施している。いずれもRC造の60m×70m で、築造面積は排泥池が670?、排水池1,290?(二池)のもの。排泥池は既に完成し、現在では、既設の排 水池解体工事が行われている。同現場では、中村峰男JV所長らの案内により、解体中の工事を見学。現場 での解体工事では、民家が近接していることから「放電衝撃破砕工法」を採用している。低振動・低騒音 で、火薬類を使用せず安全であり、CO2の発生を抑制するなど、環境に優しい破砕工法としている。 見学終了後には、子供達から「ろ過池などにいる魚などはどうなるのですか」「解体工事の底にある機械は どうやって下ろしたのですか」などの質問があり、中村所長らがそれぞれ丁寧に答えていた。 なお、築造工事は現在まで、17万時間を越えて無事故・無災害を継続中で、工期は2011年3月15日までとな っている。また、奥村記念館は毎月第3火曜日が休館で、開館時間は10時から17時まで。