(社)建築業協会関西支部(奥村太加典支部長)はこのほど、幼児向け絵本「まちの やどやのものがたり」を発刊した=写真。支部の総務・広報専門委員会(浜田雅次委 員長)が、建築業のイメージアップを目的に作成したもので、支部作成の絵本では三 作目となる。今回は、建築リニューアルがテーマ。支部では全国の幼稚園や近畿の小 児科などを対象に絵本を配布している。 支部では、建築に対するイメージ向上と理解促進を図るため、これまで未就学児童と 母親を対象にした絵本「王様の冬のへや」(2005年3月)、「森の建築家ビーバー・ ドリーとアンリー」(2006年3月)を発刊、好評を博している。今回は、副題を「建 物を大切に使い続けるための建築リニューアルのおはなし」として、再生により建物 を大切に使っていくことの良さを、解りやすく説いたもの。
発刊にあたり、企画から携わってきた山本好洋・前委員長は、「建築には建物を建てるというイメージが先 行しているが、建物を大切に使い、再生させ地域の誇りとして、未来に残すことも建築業の使命だ」とし、 浜田委員長も「建築といえば新築に話題は集まるが、それだけではないということも理解してほしい」と、 リニューアルをテーマとした経緯を述べた。 ストーリーは、とある町の宿屋では、毎晩、暖炉のあるホールに町の人々が集まり賑わいを見せていたが、 町に鉄道が引かれ、開発が始まると周囲にも多くのビルが建ち並び、宿屋はすっかり廃れてしまう。そんな ある日、町は大雪に見舞われ電気などがストップ。しかし、寒さに震えた町の人々が次第に暖炉の前に集ま ってきたことで、再び活気を取り戻していくーというもの。 作画は、「王様の冬のへや」に続いて青山邦彦さんが担当。青山さんと委員会メンバーが約1年をかけて作 成。時代に取り残された「やどや」が、リニューアルにより生まれ変わっていく様子が、幼児にも解りやす く、かつ見やすく描かれているほか、巻末には代表的なリニューアル建築物とリニューアル技術の解説も収 録。A四版サイズで全30頁。 支部では2万3,000部を発行し、このうち2万部を全国の図書館と幼稚園、近畿圏の小児科病院に配付してお り、既に100通を超える御礼の手紙やFAXが寄せられている。支部では、希望者に対して一部500円(送料 込み)で頒布するとしている。問い合わせは、大阪市中央区北浜東1−30の同支部(電話06−6941−4788) まで。