阪神電鉄甲子園駅から武庫川駅間の連続立体交差化事業の起工式が20日に執り行われる。事業区間の仮側道 の整備終了に伴うもので、2003年の事業認可から5年目にしての本格着工となる。事業は、「阪神本線連続 立体交差事業(鳴尾工区)」として、延長約1.8?の区間で実施、都市計画事業として兵庫県が事業主体とな り、西宮市と阪神電鉄?の3者で施行する。総事業費約297億円。事業の完了は2018年度の予定。施工は、鴻 池組・森本組・熊谷組特定JV、戸田建設・ハンシン建設・東洋建設特定JV、錢高組・西松建設・森長組 特定JVが担当。 事業箇所は、西宮市甲子園浦風町から同市小松南1丁目の延長1,870m。同区間は、鉄道と平面交差する道路 で踏切が六箇所あり、交通渋滞や事故の発生、市街地の南北分断による均衡ある都市の発展の阻害要因とな っていた。また、都市計画道路小曽根線では、踏切による遮断時間が1日あたりで平均9.7時間、ラッシュ時 には1時間のうち約42分に及び、交通渋滞が慢性化している。このため、西宮市をはじめ地元関係者らは県 に対し高架化に向けた要望活動を展開、1995年には西宮市と兵庫県の震災復興計画の中で震災復興事業に位 置付けられ、その後、2003年9月に事業認可を取得したもの。 計画では、鳴尾駅と軌道の高架化により、現在の焼屋敷・八幡前・鳴尾駅西・小曾根・寿町・西開の6つの 踏切を除去し、小曽根線や競馬場線の都計道路と新設二路線を含め九路線の交差道路を整備、道路交通の安 全性と円滑化を図るとともに、市街地の一体化を図ることで地域の活性化につなげる。また、土地区画整理 事業により鳴尾駅周辺整備と合わせ側道として、阪神本線付属街路鳴尾一号線(L411m、W9m)、同2号 線(L354m、W10m)、同3号線(L401m、W10m)、同4号線(L196m、W6m)と鳴尾駅前線(L88 m、W14m)を整備する。 工事は、全体を3工区に分けて実施。第1工区は鴻池JV、第2工区が戸田JV、第3工区は錢高JV。施 工にあたっては北側仮線方式(標準部)とし、現在の上り線の北(山)側に仮線及び仮線時の仮側道を設 け、現在の本線真上に高架橋を建設。2010年度に仮上り線、2011年度に仮下り線、2014年度には高架部下り 線、2016年度に高架部上り線の切替を順次を行う。その後、2017年度から側道と交差道路の工事に着手、 2018年度の事業完了を予定している。