公共施設全体のリニューアル市場は、2008年度に9,581億円となった。公共施設のストック数は微減傾向にあるものの、国や自治体は新築からストックの有効活用へと施策を転換しており、市場は堅調に推移している。2009年度には1兆円超が見込まれる。
コンセプト別にみると、耐震・免震リニューアルが2008年度の市場の約42%を占め、最も規模が大きい。最も高成長が期待されるのが創エネシステムリニューアルで、太陽光発電システムの設置を中心に拡大すると予測される。これら以外をコンセプトとしたリニューアルの多くは2009年度に縮小するが、中長期的には堅調な推移が予測される。
施設別にみると、学校のリニューアルが2008年度の市場の約49%を占め、最も規模が大きい。その他、UR都市機構(独立行政法人都市再生機構)の物件などが本格改修期を迎える公営住宅、グリーン庁舎構想を進める官公庁庁舎、社会的にも改修ニーズの高まりが予想される高齢者福祉施設、医療施設などが有望市場である。
2.リニューアル関連機器市場 | |
2008年度 | 2,071億円 |
2015年度予測 | 3,569億円 |
2008年度比 | 172.3% |
リニューアル関連機器市場はメーカー出荷ベースで捉えている。2008年度の市場は2,071億円となった。太陽光発電システムをはじめとする創エネシステム関連機器が市場の約25%を占め、最も規模が大きく、また、高成長が期待される。その他、照明、内装、空調、断熱関連の機器が各々10〜15%を占めている。
2009年度は、空調や給湯設備、外装、内装、水廻り関連の機器などが、国や自治体における予算削減の影響で縮小する。しかし、照明関連でLED照明器具、創エネシステム関連で太陽光発電システム、給湯設備関連でも業務用エコキュートなどは順調に伸び、市場は前年度比9.8%増の2,274億円が見込まれる。
2010年度以降も高効率型、省エネ関連の機器が市場を牽引する。また、2009年度に市場が縮小した機器もプラスに転じ、市場は拡大が続くと予測される。
詳細資料
: 社会インフラ・リニューアル市場の現状と将来展望 2009
株式会社 富士経済
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