
信頼回復とイメージアップを 「こういった役職は初めてであり、光栄に思うとともに身の引き締まる思いもありま すが、現在の情勢を考えると大変だなとの思いもあります」と就任にあたっての抱負 を語る。5月の総会で土工協関西支部長に就任した。公共事業の減少や業界の不祥事 による国民の不信、企業間の競争激化、次世代を担う若い世代の業界離れなど、業界 を取り巻く環境の厳しさを上げ、また、「会員メリットがはっきりしない状況」の中 では、土工協に限らず各団体とも会員数が減少、「現下の状況での舵取りは難しい」 とする。 支部運営にあたっては、「本部との連携を密にしながら一体となった活動」を上げ る。特に、本部の活動方針である‘魅力ある建設企業群の実現に向けてー新たな活動 方針ー’への取り組みとしては、「業界以外の一般の方々の理解を得られないと実現 できず、あらゆる機会を捉えて社会資本整備の必要性を訴えていきたい」。
そのため、現在実施されている100万人の現場見学会をはじめとする活動や自然災害時に機能するインフ ラ整備の重要性などについて、広報委員会を中心にアピールしたいと。また、公共工事の執行に関する諸課 題の解決に向けた取り組みも重要とする。「総合評価方式や一般競争入札など、導入時に比べ改善されてき たとはいえ、業界にとっては最善といえず、改善すべき余地があると思いますね」と、これまで同様、意見 交換会などを通じて国土交通省らに要望していくとした。 これら活動を展開する上でも本部との連携は不可欠とし、さらに来年4月には土木3団体等との統合あるこ とから、統合に向け「支部としても体制を整えるための準備の年でもある」と、新体制づくりに向けても意 欲を見せる。 一方、業界イメージアップを含めた「信頼回復」が今後の課題だとする。「土木構造物は多くの人々が利用 する社会基盤そのものであり、それらインフラ整備が着実に推進されるためにも業界イメージの向上が必要 だと思います」とし、そのためにはまとまった団体としての活動が必要とする。 工事施工における品質確保や信頼回復に向けた努力は「会員各社が当然すべきこと」としながら、「それら 企業努力を超えた部分での提案や意見を会員から吸い上げ、まとめて発注者に伝えていくことが協会の役割 だと思いますね」。 こういった発注者への要望活動や国民に対するイメージアップへの取り組みなど、「一企業では出来ない 活動を協会が行うことで、会員もメリットを感じるのでは」とし、今後も各委員会で課題を汲み上げ発注者 にぶつけていきたいーと語り、現在の課題としては、「入札契約制度に関するものが一番大きい」とした。 入社以来、一貫し て大阪で都市土木一筋に鉄道の営業線、特に大阪市営地下鉄との工事に係わりが深く、 中でも御堂筋線梅田駅改良工事が印象深いとする。「8年間携わっていましたが、新技術や新しい機械など を採用し、技術者としては一番おもしろい現場でした」。趣味はゴルフとドライブ。 友廣康二 (ともひろ・やすじ)大阪大学工学部土木工学科卒、1971年4月、大林組入社、近鉄上本町駅改良工事、矢 田駅、布施駅付近線路高架化工事、市営地下鉄淀屋橋駅、梅田駅改造工事、鶴見緑地線地下線路門真南駅工 事などを担当、1991年2月、本店土木営業企画部企画課長、1994年4月、同企画第1部企画課長、1996年10 月、土木工事第2部副部長、1998年8月、土木営業第2部長、2003年6月、本店統括部長、2007年4月、本 店常務執行役員に。大阪市出身。60歳。