

矢田市長「共通認識の第一歩に」 神戸市は15日、第17回政策提言会議を神戸市役所一号館大会議室で開催し た。有識者や市民団体等で構成する政策提言会議メンバーから、テーマ毎に 意見交換を行い、市の施策に反映することを目的に、2001年度から実施され ている。今回は、「デザイン都市・神戸」についてなど二つのテーマについ てメンバーが意見を交わした。 議では、第1部としてデザイン都市・神戸のテーマについて、松原一郎・関 西大学教授を進行役に各メンバーが意見を述べた。この中では、「専門家集 団によるデザインマーケットの形成」や「製作者の名前を明記したものづく りを」「大企業と小さな工房との棲み分け」など、住む人や働く人の観点か らの意見と、「神戸の街をデザインのショーウインドウに」、「住んでいる 地域のデザイン、各地域に合ったデザイン」、「海沿いの道路が少ない」な ど、街そのもののデザインに関する意見が出された。また、「デザインには 多様な考え方があり、具体的なイメージが描けない」や「デザインとはその 気にさせるもの」、「神戸は心地よい空間が多く、海外の人を呼び込めれ ば」、「市外からの人を迎えることの大事さ」など、居住面からのアプロー チも指摘された。
まちの景観形成では、「坂道から見る港は美しい」「看板や広告物が美観を損ねている」「放置自転車が見 苦しい」などとされたが、中でも電柱撤去と電線地中化を求める声が多く出された。また一方では、住民の 要請により整備された地域のある道路では、「遠回りしてでも通りたい道」となったとし、「時間はかかっ たが、行政の英断により実現した」として、行政は小さな声でも耳を傾けてほしいとした。このほか、試験 的に車線と歩行者線の入れ替えや坂道へのケーブルカー導入、さらに「デザインにはコストがかかる。神戸 市の広報誌もお金かけて変えてみては」など、多彩な意見・提案が投げかけられた。 これら意見に対して矢田市長は、「意見の多くは人間の係わる部分が多く、神戸に住み、訪れる人も含め快 適なまちを造ろうとする気持ちを感じる」と感想を述べ、いろんな地域で取り組みが行われているが、「神 戸らしさという形があるはずで、その原点は人にある。人が豊に暮らしていけることが大事だ」とし、今回 の会議を「デザイン都市・神戸に対する共通認識を持つための第一歩としたい」と締めくくった。 会議ではこの後、「環境共生都市の実現に向けて」をテーマに第二部が行われた。 政策提言会議は‘新しい21世紀の神戸のまちを「どうしていくか」「一緒になにができるか」をともに議 論していこう’の趣旨に賛同した市民代表や学識経験者、マスコミ、芸術家、企業経営者等で、2001年12月 に発足。専門分野にこだわらず、市長が直接メンバーから意見を聞くもので、メンバーは90名で構成されて いる。