
まちは自分たちでつくる 千里ニュータウンの再生の再生へ向け、市民とともにそのあり方を考える 「千里ニュータウンのまちづくり講演会」(主催・吹田市、大阪府、千里ニ ュータウン再生連絡協議会らの後援)が12日、「まちは自分たちでつくる」 をテーマに、吹田市の千里金蘭大学佐藤記念講堂で開催された。講演会で は、建築家の安藤忠雄氏による講演と、安藤氏と阪口善雄・吹田市長の対談 が行われた。
講演会では、初めに主催者を代表して阪口市長が挨拶。阪口市長は、まちびらきから45年が経過した千里ニ ュータウンの再生と、吹田操車場跡地利用について「吹田市の2大プロジェクトであり、これらのまちづく りについてこの講演会で市民とともに考えていきたい」とし、講演会の成果に期待を寄せた。 次いで安藤氏が、約1時間半にわたり講演。講演で安藤氏は、大阪へのこだわりや、自身がこれまで手掛け た建築作品、現在進行中のプロジェクトなど、それぞれの考え方や方向性を紹介するとともに、それらを通 してのまちづくりについての考えを語った。 今後のまちづくりに関して安藤氏は、高齢化社会に対応することが必要とした。特に「高齢者の人を元気す るためにも、楽しめるようなまちづくりが重要」と指摘、魅力的なまちづくりは自分自身を元気にするもの と、長寿社会におけるまちのあり方を示唆した。また、「長生きの時代、生活の糧、エネルギーの糧となる ようなまちづくりを」とし、「創造力がないと夢はかなえられない」と語り、千里ニュータウンも「高齢者 の方々がうろつけるようなまちに変わらなければならない」と、再生にあたっての考えを述べた。 続いて、吹田市のまちづくりに関して阪口市長と安藤氏が対談。阪口市長は、千里ニュータウンは「20世紀 における都市建設のモデルであり、21世紀は再生のモデルとしたい」と再生にかける想いを述べる一方で、 吹田操車場跡地利用に関しても想いを馳せながら、「吹田市における二大プロジェクト」と位置付けた。安 藤氏は、ニュータウン再生には「高齢化に対応するためには、まちの中に利便な施設をつくること」とし、 そのためには法令改正も必要ではとした。 阪口市長はまた、千里ニュータウンはまちびらきから45年が経過し、「ニュータウンを故郷とする意識も生 まれつつある」としながらも、「余剰地がない」ことを課題に上げながらも、緑が多いことや医療関連施設 も充実していることから、操車場跡地と連携した医療と健康の都市づくりを提唱、「国の環境モデル都市に 応募している」とした。 まちづくりにあたり安藤氏は、市民が「自分達のまち」との愛情を持たなければならないとし、千里ニュー タウンには、万博公園や民俗学博物館など、「良いものがあり、これを残すことも必要」との考えを示し、 阪口市長も、再生に際しては「保全・改善・創造」に区分しなければならないとし、最後に「2大プロジェ クトの千里ニュータウン再生と操車場跡地まちづくりを安藤氏にお願いしたい」と述べ、対談を締めくくっ た。