かつて大阪湾に沈む夕日を眺める絶好のスポットがあった上町台地の「夕陽丘」。大阪湾が四天王寺の西側 かで迫り、上町台地からは水平に沈んでいく夕陽の姿を拝見することができたという。鎌倉時代の初期の歌 人で新古今和歌集の選者の1人、藤原家隆は1236年、上町台地に夕陽庵(せきようあん)を設け、夕陽をみ て極楽往生を願う「日相観(にっそうかん)を修め、翌年正座合掌しながら往生した。地名の「夕陽丘」は この庵名に由来していると言われている。 大阪市は「夕陽を見る場」の整備として、藤原家隆をまつる史跡「家隆塚(かりゅうづか)」再整備工事を 上町台地マイルドHOPEゾーン事業として実施。29日には、その工事完成を記念して講演会を催し、再整 備された家隆塚から夕陽を眺める予定だ。